東洋英和女学院中学部 入試対策
2019年度「東洋英和女学院中学部の社会」
攻略のための学習方法
分析
試験時間30分で総解答数は30~35問ほど。大問に1000~1500字ほどのリード文がつく場合がある。記号選択は5~6問ほどと少なく、適語記入が多く、1行ほどの短文記述が4~6問出されるのが通例である。図版やグラフ・年表などが多く用いられ、統計資料も多く見られる。
近年は大問3つにそれぞれ地理・歴史・政治経済が割り当てられることが多いが、混合して出題されることもある。分量としては政治経済がやや少ない印象である。
記述問題では、用語を説明するもの・資料や図版の意味を問うもの・資料から理由や原因を考えさせるものなど内容は多岐にわたり、短文とは言え簡単な問題ばかりではない。
地理分野
産業の移り変わりと社会の変化(2019年度)や貿易について(2015年度)など、大きなテーマに沿って地理に関する幅広い知識を問うような問題が多い。
各地の地形や気候・産業や貿易、地形図の読み取りなど、地理全般の問題が出題されている。資料が多く示されるのも特徴で、地図・雨温図などの各種グラフや統計資料・写真や絵などの図版など、毎年多く用いられている。この分野で1~2問の短文記述が出されるのが通例で、グラフを読み取って答える問題などが見られる。
極端な難問は出されないので、白地図や資料集を常に手元に置き、各分野大きな抜けがないように丁寧に学習しておくとよい。
歴史分野
宗教の歴史を題材とした問題(2019年度)や各時代の絵(平成27年度)など、ある話題をもとに歴史全般の問題が聞かれるパターンが多い。主に弥生時代~近現代までの範囲で、幅広く出題されている。
地理と同様、図版や写真など多くの資料が使われている。一般的な資料集で見られるようなわかりやすいものが多いので、普段からよく目を通して見慣れておくと良い。
この分野でも1~2問の短文記述問題が出されている。用語・出来事の説明や理由・原因を問うものが多い。風刺画の意味するところを問う(平成27年度)といったものもある。
歴史との関連で世界地理に問題が及ぶ場合も多いので、過去の貿易や戦争などで関係する国については特によく調べておこう。
政治経済分野
日本国憲法と政治の仕組みを中心として、世界地理や国際関係の問題も出題されている。また、直近の時事問題も多く見られるので、ニュースや新聞・重大ニュース集などで現代社会を取り巻く種々の問題について考えておくことは良い対策になる。
また、この分野も最低1問は短文記述が出されるので、自分の考えを1行程度でまとめるような練習をしておきたい。
まとめ
全体としては、極端な難問奇問の出題は無く、オーソドックスな試験である。とはいえ、合格者平均点が七割五分にも達する年度があるので、テキストレベルでの高い実力が求められるテストでもある。
まずはテキストを丁寧に学習して、分野ごとの偏りのない実力を養う。その際、記号選択問題が少ない試験であることを意識し、用語は漢字で書けるようにして、複雑な用語や法律の文言なども正確に覚えてしまうことを心がける。
その上で、資料が多いという本校の試験の特徴を踏まえ、地図・白地図や年表・資料集を活用して多くの写真・図版に触れ、統計・グラフの読み取りに慣れておくことが肝要である。
記述問題については、ニュース・時事問題集などで物事の背景や原因・理由を考える経験を積み重ね、1行程度で書く練習を繰り返して、自分の意見を簡潔にまとめられるようにしておこう。
また、書く分量が多いため、30分という試験時間は決して多いとは言えないので、スピードもつけられるよう意識して欲しい。
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2019年度「東洋英和女学院中学部の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
解答数32問中、大半が適語記入と8問の短文記述で記号選択は1問だけであった。リード文や資料を読む時間も含めると時間に余裕はないだろう。
知識問題はあまり悩まずにどんどん進めて、記述問題は短文なので1~2分ほどで完結にまとめていき、一通りは目を通せるようなスピード感で解いていきたい。
【大問1】歴史分野
- 難度:標準
- 時間配分:11分
- ★必答問題
宗教を話題として、各時代の人物や出来事について訊かれている。
問1 土偶は人や動物、とくに女性をかたどったものが多い。一方、埴輪は武器・防具や家、円筒形などの形もみられる。
問2 邪馬台国の女王・卑弥呼。きちんと漢字で書けるように。
問3 都には東大寺と大仏、地方の国ごとに国分寺・国分尼寺を建てた。
問4 比叡山・延暦寺を総本山とする天台宗を開いたのは最澄。高野山・金剛峯寺を建てた空海の真言宗とともに、日本の2大仏教とされる。
問5 中尊寺金色堂は、奥州藤原氏により岩手県・平泉に建立された阿弥陀堂建築である。
問6 足利義政の跡継ぎ争いに端を発した応仁の乱は11年にもおよび、主戦場となった京都は壊滅的な被害を受けた。
問7 三月三日の桃の節句や五月五日の端午の節句などが挙げられる。七月七日の七夕も節句の一つである。
問8 ポルトガルなどは貿易の条件に布教を求めたので、南蛮貿易で利益をあげるためにキリシタンとなる大名もいた。
問9 江戸幕府は封建制度の維持に適している、身分の上下を重視する朱子学を重用した。
問10 現在の津田塾大学の創設者・津田梅子。
問11 日本国憲法には政教分離の原則を規定しており、特定の宗教が「特別に保護される」ことを禁じている。
問12 キリシタンの蜂起・島原天草一揆や、一向宗信者らによる自治が行われた加賀の一向一揆などが挙げられる。
【大問2】地理分野
- 難度:標準
- 時間配分:11分
- ★必答問題
社会の変化と産業の移り変わりについて。
問1 北海道の夕張炭鉱や福岡県の三池炭鉱など、かつては国内でも石炭の採掘が行われていたが、エネルギー源が石油に変わったり外国産の安い石炭に代替されたりして、ほとんどの炭鉱が閉鎖された。
問2 (1) 絹糸の原料となるカイコ蛾の繭を取るため、カイコのえさとなる桑が多く栽培されていた。Yの字の下部が折れている記号が桑畑である。
(2) 湿気の少ない空気や水がきれいであることから、時計などの精密機械工業が盛んになった。
問3 (1) 集積回路・貴金属など、航空機で運ぶのに適している小さくて高額な製品が多いという特徴がある。
(2) アジアでは、シンガポールのチャンギ・韓国の仁川・日本の羽田などがハブ空港として機能している。
問4 (1) 放射状の道路だけだとすべての車が中心の東京に集中してしまうので、都心を通らずに済むように環状線が整備され、交通渋滞・騒音・大気汚染などの解消が図られた。
(2) 房総半島から京浜地区へとほぼ一直線で結ばれ、通勤時間が短縮された。
問5 (3) マグロ・サケ・マスなどは近海での漁獲だけでは足りないので、北太平洋などでの遠洋漁業も盛んである。
(4) 肉牛・乳牛ともに北海道が1位だが、乳牛は大規模な牧場がある岩手県や都市部に近い栃木県などが多いので、エが選べる。肉牛は鶏肉・豚肉とともに九州が多く、イが選べる。
(5) どの業種でも、日本人の若者のなり手が少ないという状況があるので、外国からの労働者の受け入れが現実的な対策として進められている。また、少ない人手で経営できるように機械化を進めたり、AIを利用して効率化を図ったりといった方法も考えられる。
【大問3】政治経済分野
- 難度:やや難
- 時間配分:8分
高校野球大会を話題に、過去の戦争や現在の政治などについて訊かれている。
問1 1941年12月の真珠湾への奇襲攻撃とマレー半島への上陸が太平洋戦争の始まりであった。
問2 当時は沖縄が日本に返還される前でアメリカの統治下にあったため、外国として扱われたのである。
問3 (2) 自衛隊を管轄する機関は防衛省である。
問4 解散があるのは衆議院なので、衆議院議長が不在だった。
問5 戦争犯罪者が祭られているとして、政治家などが参拝すると中国などから批判されるのは靖国神社である。
問6 加害者としてはアジア諸国を侵略・植民地化したことが、被害者としては原子爆弾や沖縄での地上戦で多数の民間人が攻撃の犠牲となったことが挙げられる。
攻略のポイント
今年度も、極端な難問奇問の出題は無くオーソドックスな試験であったが、テキストレベルでの高い実力が求められるテストである。
まずはテキストを丁寧に学習して、分野ごとの偏りのない実力を養う。その際、記号選択問題が少ない試験であることを意識し、用語は漢字で書けるようにして、複雑な用語や法律の文言なども正確に覚えてしまうことを心がける。
その上で、資料が多いという本校の試験の特徴を踏まえ、地図・白地図や年表・資料集を活用して多くの写真・図版に触れ、統計・グラフの読み取りに慣れておくことが肝要である。
記述問題については、ニュース・時事問題集などで物事の背景や原因・理由を考える経験を積み重ね、1行程度で書く練習を繰り返して、自分の意見を簡潔にまとめられるようにしておこう。
また、書く分量が多いため、30分という試験時間は決して多いとは言えないので、スピードもつけられるよう意識して欲しい。
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