筑波大学附属駒場中学校 入試対策
2019年度「筑波大学附属駒場中学校の理科」
攻略のための学習方法
受験テキストを使った学習をいかに丁寧に行ってきたかが問われることになる。「物理、化学、生物、地学」の4分野をバランス良く学習することが重要である。基本~発展問題まで丁寧に解くことは当たり前として、言葉の定義や現象の根本原理を逐一確認し、説明できるようにしておくことが強みになる。全体を通じて、計算を必要とする問題が半分以上を占めるため、その練習は必須である。
本校の入試は時間との戦いでもある。一通り理科の学習を終えたのであれば、本校の過去問または類する程度の過去問を解き、最低でも5回は時間内に合格点をとる経験を積むのが良いだろう。合格点に到達しないうちは、解き直しにより、どのような学習が必要か分析すると良い。そもそも知識が足りていないと感じるのであれば、再度知識の確認のためにテキストを総ざらいするのが有効だろうし、計算のスピードが不足していれば、集中的に計算問題を練習する時間を設けると良い。
以下、問題種別に学習法を述べる。
計算問題
物理分野、化学分野、地学分野において数値計算をさせる問題が頻出であるから、正しく解けるように練習を積んでおきたい。本校入試の難易度を考慮すると、受験テキストにおいて発展問題までしっかり練習しておきたい。その際、比を用いた楽な解法や算数で学習する解法などにも触れることで、様々な解法を知っておきたい。身につけた解法の内、最も楽に解ける解法を自分で選択できるようにしたいからだ。また、ノート、計算用紙、余白の十分ある問題用紙を用意するなどして計算式を書きこめる状態で臨みたい。
考察問題
実験に関する文章を読解し、結論を導き出すタイプの問題は本校入試において必須の問題である。計算問題同様、練習を積むことが大切である。何をしてよいか分からないうちは、解説を読んで考え方を知ることから始めると良い。この手の問題では根拠を明確にすることが重要であるが、普段から「なぜそうなるのか?」と何かにつけて疑問視し、自分なりの意見を持つこと、人の意見と比較してみることが有効だ。
知識問題
受験テキストにおいて重要語句として扱われている言葉や、図解の中に出てくる言葉を整理しておくと良い。参考書の説明を読むだけでなく、一問一答形式の問題を使って小テストをしたり、お家の方にクイズ形式で出題してもらったりして、満点をとれるようになるまで繰り返すとよい。また、語句の意味を百科事典や国語辞典などでひいたり、参考書で調べたりすることで、理解をさらに深めると良い。
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2019年度「筑波大学附属駒場中学校の理科」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
生物、地学、化学、物理から1~2題ずつの出題となっており、それぞれ2~7問ずつ全体では計35問の出題だった。記号選択が22問、計算が9問、適語補充が3問、記述が1問だった。時間が40分であるため、一題あたりに使える時間は平均5分程度である。※試験時間が余る設定になっています。見直しなどに使おう。
【大問1】ツバメとカラス/生物
- 難度:標準
- 時間配分:4分
日常においてツバメ、カラスを観察した経験があると心強い。これらの鳥を見た時のことを落ち着いて思い出すと良いだろう。この問題にかけられる時間は長くないので、悩むことなく短時間で片付けよう。渡りに関する問いは定番の問題であるから確実に正解したい。
【大問2】イネの種子の数/生物
- 難度:易
- 時間配分:5分
- ★必答問題
是非正解を取りにいきたい問題。比例の関係を使うだけなので難しい計算ではないが、正確な数値を出そうとすると手間がかかる。したがって、いかに楽をするかということに意識を向けられると良い。今回、選択肢の値を見るとおおよその値が分かれば答えられることに気づく。そこで、例えば一の位を四捨五入した数値を用いて解くのも一手だろう。また、問題文と表の数値をざっくりと見た段階で①の答えがウかエ、②の答えがクかケであるという見当をつけられていればなお良い。
【大問3】天体、大地、気象
- 難度:標準
- 時間配分:5分
基本的な問題であるから高得点を取りたい。
【大問4】塩田/化学
- 難度:標準
- 時間配分:5分
- ★必答問題
塩田について知らなかったとしても、落ち着いて問題文を読めば溶解度の問題と気づけるはず。この問題も高得点を取りたい。
問1 水の蒸発が起こりやすくなる条件を考えよう。
問2,3 与えられた設定をよく読み、正確に計算しよう。
【大問5】金属と水溶液/化学
- 難度:標準
- 時間配分:4分
アルミニウムと鉄の、水酸化ナトリウム水溶液と塩酸への溶解について正確な知識を問う問題。与えられた設定について丁寧に読み込み、落ち着いて考えたい。一般的に、ある金属を水溶液に溶かし、水を蒸発させた後に残る物質はもとの金属とは異なる物質となることを理解しておきたい。
【大問6】てこ/物理
- 難度:やや難
- 時間配分:8分
- ★必答問題
モーメント(回転力)の計算問題を解いたことがあれば対応可能だ。積み木と板の質量を仮定して解くと考えやすい。例えば、操作1の読解に基づき、積み木を1gとし、板を4gと仮定すると良いだろう。左(右)に傾く際の支点がDの左端(右端)となることにも気を付けたい。以上の内容にさえ気づけば基本的なモーメント(回転力)の計算と同様に考えることができるはずだ。落ち着いて処理したい。
【大問7】光の進み方/物理
- 難度:標準
- 時間配分:7分
目盛の数を丁寧に読み取り、光の進み方を正確につかみたい。ルールさえ分かれば基本的な問題であることに気づくはずだ。これまた落ち着いて処理したい。なお、日光はどの位置でも与えられた図と平行に入射してくることに気を付けたい。
攻略のポイント
マニアックな知識を要求する問題が含まれるが、それにこだわるよりも標準的な問題で失点しないことの方が重要である。多数課される考察系の問題では丁寧かつスピーディに問題文を読解し、正確に情報を掴むことに努めたい。言葉の定義、生物やものの構造、現象の根本原理を正確に思い出すこと、原理(図や計算式など)を書き出すことがミスを最小限にとどめるための工夫と言える。時間的な余裕は少ないと思われるので、長時間悩みそうな場合はひとまず飛ばし、考えやすい問題に着手するのが正攻法だろう。
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