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早稲田中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2017年度「早稲田中学校の理科」
攻略のための学習方法

本年度は生物分野の大問で純粋な知識問題が見られたが、全般に実験や観察の結果を基礎知識と関連付けて考えさせたり、状況さえ理解できれば難しくはない計算を求めたりする傾向が強い。

したがって、まず重要なのが基礎的な練習問題の解法や計算を自在に使えるレベルになるまで学習することである。

たとえば大問2で見られたように、コイルの巻き数や電流の強さが電磁石の磁力に正比例するといった前提知識が一切示されない状態で問題を解かなければならない場合、それらの知識が無ければ解法をスムーズに考えることが難しい。複雑な処理を伴う難問はほとんど出題されないので、基礎を極めることに優先順位を置くべきである。

また、知識問題では参考書に掲載されないような細かい知識を問われることは少ない一方、入試の定番とまでは言い難いレベルの内容について正確な知識を要求してくることがある。

極端に細かいところまで覚え込む必要は無いが、「覚えるだけ」と油断して学習がおろそかにならないように気をつけたい。基本問題レベルで忘れている知識がある場合には要注意である。また、実験操作の意味について記述させる問題が出て来るので、用語だけでなく実験の流れなども頭に入れておく必要がある。

 

以上のような基礎を固めたうえで、他校の過去問を含めた実戦演習もある程度の量をこなしておきたい。

その際重要なのは、答えを出すまでの手順を細かく理解することではなく、「知っている問題とどのように関連付けられるか」という入口部分の考え方を学ぶことである。特に問題の解き方が分からなかったような場合に、文章やグラフのどういう点に着目する必要があったのかを学ぶことは、状況を把握する力がものを言う入試問題の攻略において役に立つはずである。

情報処理や計算の速度は速いに越したことはないが、解き方が分かってしまえばすぐ答えられる問題が少なくないので、理科に関してスピードの不足が問題になることはほとんど無いだろう。どちらかと言えば、一見して考え方が見えない問題に遭遇して、なお粘り強く解法を探る練習の方が重要である。

 

以下、各分野の学習において特に注力すべき点を挙げておく。

 

生物分野

昆虫の変態や冬越し形態までは定番の出題であるが、カブトムシのからだの構造やモンシロチョウの卵の色といった具体的な知識となると、出題の機会も少なく効率的な対策が難しい。

この手の知識を増やすためには、問題演習を通じて出会う未知の事柄をその都度覚えていくことのほか、日頃から関心を持って生きた動植物や図鑑を眺めるといった積み重ねが欠かせない。

他方、本来は観察・実験に関する問題の出題傾向が高いことからも、光合成と呼吸、蒸散、消化といった頻出範囲の考察・計算演習も忘れないこと。

 

地学分野

天体はそもそも応用的な問題が多くなりがちな範囲である。

本年度の問題も月や星の見える位置や形がどのように決まるのかを理解していれば決して難しくないのだが、単に「星は1時間に15度ずつ移動する」という程度の知識では考え方の糸口が掴めない。天体の移動は必ず図を書いて状況を捉えられるように練習しておくこと。

地質の範囲では複合的な問題を作りやすい地層に注意したい。昨年度も出題されたが、地層形成の順序の考え方などは絶対に習得しておくべき内容である。

 

物理分野

計算のイメージが強い分野だが、計算の前提となる原理を知っていることも重要である。

学校によっては基礎的な現象であっても実験結果や説明文を通じて考え方を示してくれるが、本校の入試問題は初めからそれらの知識を想定して作られている。

振り子の周期の決まり方、つり合いの計算における「支点からの距離」の意味、電熱線の断面積と長さが発熱量に与える影響、といった事柄は「基礎知識」として把握しておこう。

 

化学分野

基本的に計算問題が出て来ると思って差し支えない。

化学分野の計算は燃焼や中和といった化学反応に関するものと、溶解度の変化に伴う再結晶や濃度に関するものとに大別されるが、いずれも「変化が止まる点」を押さえることがセオリーである。

まずは基礎的な比例計算を習得するところから始めよう。

さらに、化学反応に関しては反応させられる物質や、反応によって生成される物質についての知識を頭に入れておきたい。物質の加熱や生成した気体の捕集方法なども頻出のテーマである。

 

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2017年度「早稲田中学校の理科」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

25個の解答箇所に対して時間は30分。

大問1、2は難しい考察や計算を必要としない問題ばかりなので手早く片付けたい。大問3も数値の算出に多少の時間を要するものの、定番の問題であるから解法自体はすぐに考えられるだろう。

最も手強い大問4を丁寧に考える時間が確保できるかどうかが鍵になると言える。

【大問1】生物分野:昆虫の形態と生態

  • 難度:標準
  • 時間配分:5分

知識問題ばかりであるだけに、覚えていないと手が出ないのは厄介。

全て正解できるのが一番良いが、分からないと思ったら無駄に時間を費やすことなく、印象で適当に答えを選んで次へ進むという割り切りも大事。

問2 「からだが頭・胸・腹に分かれている」、「1対の触角が頭についている」、「3対の足と2対の羽(退化しているものを除く)が胸についている」、「気門から空気を取り入れ、気管で呼吸する」は昆虫の特徴として覚えておくこと。

問3 さなぎを作る完全変態を行なう昆虫は幼虫の姿が成虫と異なり、イモムシ状であるのが特徴である。トンボやセミの幼虫の姿は成虫と異なるものの、不完全変態であることに注意!

問4 幼虫で冬を越すのは、セミやカブトムシのように比較的暖かい土の中で幼虫の時期を過ごす昆虫であると考えれば良い。

<時間配分目安:5分>

【大問2】物理分野:電磁石

  • 難度:標準
  • 時間配分:6分
  • ★必答問題

問1が正解できれば難しくないが、逆に問1で間違えるとその後の答えが全て逆になってしまう可能性がある。

また、磁石が引き合う際の力と反発し合う際の力が同じ大きさであること、電流の大きさやコイルの巻き数が磁力に正比例することが暗黙の前提となっており、文中に手がかりを求められない。見当をつけて考えられるかどうかも重要。

問1 「重さ100gの棒磁石をつるしたばねはかりがスイッチを入れると115gを指していた」という記述から、電磁石の磁力によって棒磁石に下向きの力が加わったというところまでは簡単に分かる。

(ⅰ)電磁石が棒磁石を引き付けることから、棒磁石側の磁極はN極になっているはずである。右手親指を磁界の向き、残り4指を握り込む向きがコイルにおける電流の向きであるから、棒磁石側がN極となるには電流がA→Bの方向へ流れていなければならない。

(ⅱ)電磁石が15gの力で棒磁石を引き付けるとき、同様に電磁石も棒磁石によって15gの力で上向きに引き付けられている。したがって、台はかりの目盛は本来の900gから15g小さい値を指すことになる。

 

問2 電池を逆につなぐと電流の向きが逆転し、電磁石の上側がS極へと変わることで棒磁石と反発し合う。文中には示されていないが、磁石が引き合う力と反発し合う力は向きが違うだけで、同じ大きさである。

つまり、棒磁石には上向きの、電磁石には下向きの力がそれぞれ15gずつ加えられることから、問1とは逆に、台はかりは900gよりも15g大きい値を指すはずである。

 

問3 ばねはかりにつるされたのが棒磁石ではなく鉄であっても考え方は同じである。電磁石の磁極がNであるかSであるかを問わず5gの力で鉄の棒と電磁石が引き合うことで、台はかりは問1と同様に900gから5g小さい値を指す。

 

問4 文中には示されていないが、電流の大きさが2倍、3倍…になると磁力の強さも2倍、3倍…となる。また、コイルの巻き数を2倍、3倍…にしても磁力の強さは2倍、3倍…となる。本問の設定と問3の設定とを比べると、電流の大きさは4倍である一方、磁力の強さは3倍になっている。

したがって、4×□=3を考えると□=0.75であり、コイルの巻き数が0.75倍になったと分かる。

<時間配分目安:6分>

【大問3】化学分野:加熱による金属の酸化

  • 難度:
  • 時間配分:6分
  • ★必答問題

鉄やマグネシウムなどの金属を加熱すると酸素と結びつく。つまり、金属と酸素との化学反応を考える問題であり、「過不足なく反応する状態を捉えて比例式へと持ち込む」といセオリー通りに解けば良い。簡単なので、さっさと片付けたい。

問1 操作前に容器の重さを量っておくのは実験の鉄則。純粋に鉄の重さの変化だけを知ろうとすれば、鉄粉をのせている皿に重さの変化があってはならない。

問3 密閉された環境での実験かどうかは確認しておきたい。本問では開放された空間で鉄粉が加熱されているので酸素は無限に存在すると考えられる。

つまり、すべての鉄に酸素が結びつくまで反応が続くことになる。他方、密閉された空間での加熱であれば、すべての鉄または酸素が反応し終えた時点で重さが変わらなくなる。

問4 皿Aを見ると、加熱前に0.5gであった鉄の重さが0.7gまで増えたところで止まっている。つまり、鉄と酸素が過不足なく反応するとき、「鉄0.5g+酸素0.2g=酸化鉄0.7g」の関係が成り立っている。皿E、Fにおける加熱前の鉄の重さはそれぞれ3.0g、4.0gであるから、完全に反応を終えた時点での量的関係はそれぞれ上式の3.0÷0.5=6[倍]、4.0÷0.5=8[倍]になる。

すなわち、皿E、Fで生成される酸化鉄の最大の重さはそれぞれ0.7×6=4.2[g]、0.7×8=5.6[g]であるから、それらに皿の重さ12gを加えた値が答えとなる。

<時間配分目安:6分>

【大問4】地学分野:月や星の見え方

  • 難度:やや難
  • 時間配分:13分
  • ★必答問題

単に月の満ち欠けや星の日周運動を考える問題に過ぎないのだが、問題文を読んでそう気付けるかどうかがポイント。解法へとたどり着くまでに、比較的時間がかかるかもしれない。

問1 図1では満月が「21時頃、南東の空に見えている」のに対し、図2では「同じ時刻、南西の空に見えた」と書かれている。月の満ち欠けで考えるなら、21時頃南西の空に言えるのは上弦の月であるから、満月から上弦の月までの日数を考えれば良い。

問2 問1で考えた通り、月の形は右半分が明るい上弦の月である。「半円の直径の延長が地平線の真南と交わるような傾きで作図する」と覚えよう。

問4 問3の問題文中にある「日本で一般に売られている」という記述がヒント。

ここから、「時刻と星の位置との関係は日本の標準時子午線が通る東経135度を基準に考えられている」ということを読み取る必要がある。経度が1度違えば4分の時差が生じることから、本来東経125度地点における時間は標準時よりも4×(135−125)=40[分]進んでいる。星が1時間で15度ずつ西へ動くことを考えると、40分の時差は星座早見盤上の星の位置と比べて15×40/60=10[度]の西へのずれを生むことになる。

したがって、星図円盤は時計回りに10度回せば良い。

※ 作図で考えられれば、この問題は一瞬で解けてしまう。北極から見た地球の図を円で表し、円周上に東経135度と東経125度の2地点をとる。すると、同じ星の見える方角が経度の差異の分だけ生じることが簡単に確認できる。

問5 池の周りを兄弟が同方向に走る旅人算と同じ。

地球と火星が太陽を一周するのにかかる時間の比が1:1.9であるから、公転する速さの比および同じ時間で進む距離の比は1.9:1である。その差が1周分、つまり360度になるときを考えると、その間に地球は360÷(1.9−1)×1.9=760[度]公転しているはずである。1年で360度公転することから、760度の公転にかかる時間は760/360=19/9[年]と計算できる。

1年は12か月であるから、12×19/9=76/3=25.333…より、26か月目に太陽−地球−火星が再び同じように並ぶと考えられる。

<時間配分目安:13分>

攻略のポイント

物理、化学分野は簡単であった一方、生物分野は具体的な昆虫の生態に関する知識を、地学分野は設問を理解する力をそれぞれ要求する問題が出題され、受験者の得点傾向に差がついたと思われる。

推定配点に基づけば物理、化学分野を全問正答して20点である一方、合格者平均点は26.7点に達することを考えると、両分野での失点は致命的であるとさえ言える。

そこで着実に点を稼げれば、生物分野における定番の知識問題に正解することで合格平均点は取れるだろうが、欲を言えば地学分野の問題が3問以上解ける程度の力を目標にしたい。

また、こうした思考力を要する問題に力を集中投下できるような時間の使い方ができるかどうかも鍵になる。

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