早稲田中学校 入試対策
2017年度「早稲田中学校の社会」
攻略のための学習方法
地理分野
日本の地名・地勢や気候、各地の産業の特色などの基本的事項について広く出題されている。
漁業・食糧危機といったあるテーマに沿った出題や、九州・北海道といったひとつの地域にスポットを当てた出題などがある。
地図やグラフ・統計資料を読み取って、その分野や地域についての総合的な知識を問う、というような問題が多いので、地図・白地図や資料集を常に活用して知識をまとめておくようにする。
また、貿易とのつながりで世界地理が多く出題される傾向にあるので、日本地図だけでなく世界地図にも親しむためにも、白地図で位置や周辺地域との関連も見ておきたい。
歴史分野
各時代から出題されている。
問題の形式も、ある分野の時代の流れを追うものや、一つの時代にポイントを絞って問うもの、いくつかの歴史的な事柄で小さく区切って訊いてくるもの等、さまざまである。
歴史分野でも、史料が多く用いられる。何の史料かがわかっていないと答えられない問題もあるので、資料集でたくさんの史料に触れておきたい。
また、外交史・文化史のようにポイントを絞って流れを追う問題も出されることが多いので、年表で分野ごとに流れをまとめて覚えておくと良い。
重要事項の年代もよく訊かれるので、ここでも年表を活用して総合的に頭に入れるようにしたい。
政治経済分野
この分野では、難解な細かい知識を問われることはない。基本事項がしっかり頭に入っていれば対応できる。
「日本国憲法」「三権の仕組み」など、基礎的な知識をしっかり固めておく。
また、この分野と関連して時事的な問題が出されることが多いので、新聞・ニュースでその時々の話題の出来事をチェックしておく。社会統計などで、現代社会の実態も理解しておこう。
まとめ
高偏差値の学校の試験であり、難しい問題も散見される。
特に、選択肢の問題にはテキストレベルを超える問題もみられ、最新の情報を必要とされる設問も多い。テキストを一通りマスターしたら、ハイレベルの教材でさらに細部の知識まで補強しておきたい。
本文や資料の文が多めだったり、本文から答えとしてふさわしい部分を抜き出したり(平成25年度)と、国語の読解力が必要とされるような部分がある。また、時代ごとに並べ替えたり、○×の正しい組み合わせを選んだりと、正確な知識がないと答えられない設問もある。
テキストをまずはマスターし、問題集で確認する。資料を読み取る問題が頻出なので、地図・白地図・資料集でさらに知識を確実なものにする。年表を使い、体系的に整理する。重大ニュース集で近年の社会的な出来事を把握しておく。
社会の基本的な学習方法で正確な知識を身につけておくこと、そのうえでもう一段階高度な学習でさらに詳しく踏み込んでおくことが望ましい。
高い得点での勝負になるので、あいまいな知識では足元をすくわれるので要注意だ。
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2017年度「早稲田中学校の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
記号選択・適語記入の問題が39問、短文記述が1問の計40問。地理分野15問・歴史分野15問・政治経済分野10問という割合である。
長文記述や長時間考えるような設問はないので、てきぱき答えていこう。ただし、単純な知識だけでは答えられない問題もあり、そこはゆっくり考えたい。とにかく最後まで目を通し、じっくり考える問題は最後に落ち着いて取り組みたい。
【大問1】地理分野
- 難度:やや難
- 時間配分:11分
- ★必答問題
北海道や利根川流域、その他各地の自然や産業について。
A 北海道の断面図を使った問題。
問一 秋田県八郎潟は北緯40度の緯線と東経140度の緯線が交わる地点である。このような目印となる場所を覚えておくとイメージしやすい。設問の内容からも、概略図は北海道であるとわかる。(1)・(2)・(3)それぞれ、十勝平野(池田町のワインなど)・釧路平野(釧路湿原・釧路漁港)・石狩平野(石狩川)のことを説明している。
問二 夕張メロンは聞いたことがあるだろう。夕張市は2006年に財政再建団体の指定を受け、18年の期間をめどに再建を目指している。
B 県章を話題に各県の地理や気候について訊かれている。
問三 (あ)の県章が少しわかりづらいが、石川県である。静岡県には静岡市・浜松市と2つの政令指定都市がある。石川県の県庁所在地は金沢市。
問四 面積の大きい3つの島は、奄美大島・種子島・屋久島となる。大きい順にという指定も無いので、このうち2つを答えればよい。
C 利根川流域を話題にした問題。
問六 八木沢ダムは利根川最上部に位置し、しばしば首都圏の水がめと呼ばれる貯水池のひとつ。河岸段丘は川の両岸に階段状に形成された地形。渡瀬遊水地は足尾銅山の鉱毒を無害化する目的で作られた。
問七 Aピーマンの1位・甘藷2位などから茨城県。Bピーマン2位で宮崎県。Cはレタス1位で長野県。残るDが千葉県。
問八 チリ・ノルウェーでサケ・マス、ベトナム・インドネシアでエビが見分けやすい。
<時間配分目安:11分>
【大問2】歴史分野
- 難度:やや難
- 時間配分:12分
- ★必答問題
朝鮮との外交史を題材にした問題。
問一 あ.538年、百済より仏教伝来。
え.甲午農民戦争・東学党の乱、どちらの呼び方も覚えておこう。
お.1965年、日韓基本条約が結ばれ、韓国との国交が樹立された。
問二 (1)1876年、李氏朝鮮との間に結ばれた条約・その他の協定を含めて呼ぶもの。当
時の条約によくある不平等条約で日本に有利なものであった。
(2)663年、倭国・百済連合と唐・新羅連合が白村江で戦い、日本側が大敗した。
(3)1910年、日本は韓国を植民地とした。その9年後、独立を目指して起こった運動が三・一独立運動である。
問三 武王・雄略天皇・ワカタケル大王、3つの呼び方を覚えてしまおう。
問四 選択肢の細かな間違いを見逃さないように。山崎の戦いで倒したのは明智光秀。選択肢イは時代順がおかしい。安土城を築いたのは織田信長。
問五 1624年にスペイン船・1639年にポルトガル船の来航を禁止した。朝鮮通信使は将軍が変わるごとに日本を訪れていた。
問七 例年は記述問題が出されていなかった。今後の傾向に注意。ここは朝鮮特需のことを書けば良い。
<時間配分目安:12分>
【大問3】政治経済分野
- 難度:標準
- 時間配分:7分
国民の祝日にちなんでいろいろな問題が問われている。
問一 選挙権は近年、18歳以上に引き下げられた。
問四 集落は、森林などより、水の利が良い平地に作られることが多いので、エは間違い。
問六 国勢調査の内容まで詳しく暗記している人は少ないであろう。ここは理屈で考えよう。選択肢ウの高齢者が占める割合が高い県は、やはり経済・産業が振るわず、過疎地が多い地域と考えられるので、沖縄県は当てはまらない。
問八 伝統証紙は経済産業大臣の指定する伝統的工芸品で使用できるマークである。
問九 週休二日は法的に決められているわけではない。
<時間配分目安:7分>
攻略のポイント
記号選択と適語記入中心のシンプルでオーソドックスな試験である。しかし、選択肢問題でも、細部・周辺事項まで正確な知識がないと正解を選べない難しい問題も多く、けっして楽ではない。極端な難問奇問は無いものの、高い実力が要求される。
丁寧な学習でテキスト・副教材の細部までよく理解し、マスターを目指したい。資料集などで統計に強くなっておくことも大事である。
また、社会的な出来事にもよく目を配り、時事問題にも十分な対策をとっておこう。
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