早稲田中学校 入試対策
2019年度「早稲田中学校の社会」
攻略のための学習方法
地理分野
日本の地名・地勢や気候、各地の産業の特色などの基本的事項について広く出題されている。
漁業・食糧危機といったあるテーマに沿った出題や、九州・北海道といったひとつの地域にスポットを当てた出題などがある。
地図やグラフ・統計資料を読み取って、その分野や地域についての総合的な知識を問う、というような問題が多いので、地図・白地図や資料集を常に活用して知識をまとめておくようにする。
また、貿易とのつながりで世界地理が多く出題される傾向にあるので、日本地図だけでなく世界地図にも親しむためにも、白地図で位置や周辺地域との関連も見ておきたい。
歴史分野
各時代から出題されている。
問題の形式も、ある分野の時代の流れを追うものや、一つの時代にポイントを絞って問うもの、いくつかの歴史的な事柄で小さく区切って訊いてくるもの等、さまざまである。
歴史分野でも、史料が多く用いられる。何の史料かがわかっていないと答えられない問題もあるので、資料集でたくさんの史料に触れておきたい。
また、外交史・文化史のようにポイントを絞って流れを追う問題も出されることが多いので、年表で分野ごとに流れをまとめて覚えておくと良い。
重要事項の年代もよく訊かれるので、ここでも年表を活用して総合的に頭に入れるようにしたい。
政治経済分野
この分野では、難解な細かい知識を問われることはない。基本事項がしっかり頭に入っていれば対応できる。
「日本国憲法」「三権の仕組み」など、基礎的な知識をしっかり固めておく。
また、この分野と関連して時事的な問題が出されることが多いので、新聞・ニュースでその時々の話題の出来事をチェックしておく。社会統計などで、現代社会の実態も理解しておこう。
まとめ
高偏差値の学校の試験であり、難しい問題も散見される。
特に、選択肢の問題にはテキストレベルを超える問題もみられ、最新の情報を必要とされる設問も多い。テキストを一通りマスターしたら、ハイレベルの教材でさらに細部の知識まで補強しておきたい。
本文や資料の文が多めだったり、本文から答えとしてふさわしい部分を抜き出したり(平成25年度)と、国語の読解力が必要とされるような部分がある。また、時代ごとに並べ替えたり、○×の正しい組み合わせを選んだりと、正確な知識がないと答えられない設問もある。
テキストをまずはマスターし、問題集で確認する。資料を読み取る問題が頻出なので、地図・白地図・資料集でさらに知識を確実なものにする。年表を使い、体系的に整理する。重大ニュース集で近年の社会的な出来事を把握しておく。
社会の基本的な学習方法で正確な知識を身につけておくこと、そのうえでもう一段階高度な学習でさらに詳しく踏み込んでおくことが望ましい。
高い得点での勝負になるので、あいまいな知識では足元をすくわれるので要注意だ。
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2019年度「早稲田中学校の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
問題数は地理分野16問・歴史分野13問・政治経済分野10問という割合であった。
短文記述があるが、長文記述や長時間考えるような設問はないので、てきぱき答えていこう。ただし、単純な知識だけでは答えられない問題もあり、そこはゆっくり考えたい。とにかく最後まで目を通し、じっくり考える問題は最後に落ち着いて取り組みたい。
【大問1】地理分野
- 難度:やや難
- 時間配分:12分
- ★必答問題
新潟県を話題の中心として、さまざまな内容が問われている。
問1 品川宿は東海道、千住宿は日光街道、内藤新宿は甲州街道の最初の宿場である。
問2 内陸県は滋賀県(信楽焼)・栃木県(益子焼)。備前焼は岡山県、有田焼は佐賀県、九谷焼は石川県の伝統工芸品である。
問3 風向を見ると日本海側からの風が中央の山岳地帯を越え、フェーン現象を起こしたと推測できる。
問4 (2)排出量の削減については、他国の環境対策への支援などで削減できた量を自国の削減量として計算できる制度がある。
問5 (1)スキー場の多さからDが新潟県とわかる。新潟は海にも面しているので海水浴場も多い。海水浴場で見るとBが兵庫県と考えられる。大阪府も海に面しているが、海水浴場は少なく、スキー場も0である。
(2)地熱が利用できる温泉や火山のある地域は、多く国立公園などに指定されていて開発に制限がある。
問6 まず、冬の降水量からC・D・Eが日本海側とわかる。耕地面積と田の割合からCが新潟県、樹園の多いDが山形県、残るEが福井県と判断できる。AとBでは田と果樹の割合からAが青森県、Bが茨城県と考えられる。
問7 湿地を保護するラムサール条約はイランの都市ラムサールで会議が行われた。イランはかつてペルシャと呼ばれ、ペルシャ語が使われている。
問8 ナフサはガソリンとほぼ同じ沸点範囲で分離され、粗製ガソリンとも呼ばれる。プラスチックや化学繊維の原料になる。
問9 図1は内陸部など各地に広く分布している。高速道路や空港を利用して運べる小さな製品が考えられ、半導体・集積回路などと推定できる。図2は埼玉県の秩父や山口県など、石灰石の産地であることからセメント工業が盛んな地域と考えられる。
【大問2】歴史分野
- 難度:やや難
- 時間配分:10分
- ★必答問題
江戸時代末~第二次世界大戦後までの歴史的な出来事・人物について訊かれている。
問2 北海道が置かれてから開拓使が作られたので、ウが×。
問3 (1)立憲改進党の結成は1882年、内閣制度の発足は1885年、秩父事件が1884年の出来事である。
(2)板垣退助は土佐藩、陸奥宗光は紀州藩の出身である。
(3)日露戦争後に、小村寿太郎が関税自主権の回復に成功している。
問4 イ. 下関条約で、日本は遼東半島、台湾、澎湖諸島(ほうこしょとう・ポンフーしょとう)を譲り受けた。
問5 ウ. 生糸は輸出量世界1位になったが、綿糸はそこまでではない。
問7 アは1940~1941年にかけて、ウの国家総動員法は1938年、オは1941年の出来事。
問8 義務教育の終期については「尋常小学校の課程修了か14歳になるまでのどちらか」
で、実際には6年から8年の間であった。一般に小学校終了までと考えれば6年間となる。
問9 イ. ソ連など3か国は内容に不満があるとして調印していない。
【大問3】政治経済分野
- 難度:標準
- 時間配分:8分
内閣や行政について。
問1 政令は内閣が定めるもので国会の審議を必要としないので。ウは×。
問2 2011年3月11日に発生した東日本大震災からの復興を目的として、内閣総理大臣を長として発足したのが復興庁である。
問4 パブリックコメント――行政機関が規制などを設定・改廃する際に、国民から意見・情報を求めて決定に反映する制度。
問5 (ア) 政府から災害派遣出動命令が出されるのは自衛隊。
(イ) 「医療分野での救助や応援」とあるので日本赤十字。
問6 (2) アの法律が施行されたのは安倍内閣の時だが、成立したのは小泉純一郎内閣の時である。
(3) それまで国営・公営だった事業や企業を、民間の経営・運営に移行させること。
(4) 岸信介は旧姓を佐藤と言い、佐藤栄作の兄である。1960年の新日米安全保障条約に調印した。
攻略のポイント
記号選択と適語記入中心のシンプルでオーソドックスな試験である。しかし、選択肢問題でも、細部・周辺事項まで正確な知識がないと正解を選べない難しい問題も多く、けっして楽ではない。極端な難問奇問は無いものの、高い実力が要求される。
丁寧な学習でテキスト・副教材の細部までよく理解し、マスターを目指したい。資料集などで統計に強くなっておくことも大事である。
また、社会的な出来事にもよく目を配り、時事問題にも十分な対策をとっておこう。
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