早稲田中学校 入試対策
2020年度「早稲田中学校の社会」
攻略のための学習方法
地理分野
日本の地名・地勢や気候、各地の産業の特色などの基本的事項について広く出題されている。
漁業・食糧危機といったあるテーマに沿った出題や、九州・北海道といったひとつの地域にスポットを当てた出題などがある。
地図やグラフ・統計資料を読み取って、その分野や地域についての総合的な知識を問う、というような問題が多いので、地図・白地図や資料集を常に活用して知識をまとめておくようにする。
また、貿易とのつながりで世界地理が多く出題される傾向にあるので、日本地図だけでなく世界地図にも親しむためにも、白地図で位置や周辺地域との関連も見ておきたい。
歴史分野
各時代から出題されている。
問題の形式も、ある分野の時代の流れを追うものや、一つの時代にポイントを絞って問うもの、いくつかの歴史的な事柄で小さく区切って訊いてくるもの等、さまざまである。
歴史分野でも、史料が多く用いられる。何の史料かがわかっていないと答えられない問題もあるので、資料集でたくさんの史料に触れておきたい。
また、外交史・文化史のようにポイントを絞って流れを追う問題も出されることが多いので、年表で分野ごとに流れをまとめて覚えておくと良い。
重要事項の年代もよく訊かれるので、ここでも年表を活用して総合的に頭に入れるようにしたい。
政治経済分野
この分野では、難解な細かい知識を問われることはない。基本事項がしっかり頭に入っていれば対応できる。
「日本国憲法」「三権の仕組み」など、基礎的な知識をしっかり固めておく。
また、この分野と関連して時事的な問題が出されることが多いので、新聞・ニュースでその時々の話題の出来事をチェックしておく。社会統計などで、現代社会の実態も理解しておこう。
まとめ
高偏差値の学校の試験であり、難しい問題も散見される。
特に、選択肢の問題にはテキストレベルを超える問題もみられ、最新の情報を必要とされる設問も多い。テキストを一通りマスターしたら、ハイレベルの教材でさらに細部の知識まで補強しておきたい。
本文や資料の文が多めだったり、本文から答えとしてふさわしい部分を抜き出したりと、国語の読解力が必要とされるような部分がある。また、時代ごとに並べ替えたり、○×の正しい組み合わせを選んだりと、正確な知識がないと答えられない設問もある。
テキストをまずはマスターし、問題集で確認する。資料を読み取る問題が頻出なので、地図・白地図・資料集でさらに知識を確実なものにする。年表を使い、体系的に整理する。重大ニュース集で近年の社会的な出来事を把握しておく。
社会の基本的な学習方法で正確な知識を身につけておくこと、そのうえでもう一段階高度な学習でさらに詳しく踏み込んでおくことが望ましい。
高い得点での勝負になるので、あいまいな知識では足をすくわれるので要注意だ。
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2020年度「早稲田中学校の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
問題数は地理分野14問・歴史分野13問・政治経済分野9問という割合であった。
短文記述があるが、長文記述や長時間考えるような設問はないので、てきぱき答えていこう。ただし、単純な知識だけでは答えられない問題もあり、そこはゆっくり考えたい。とにかく最後まで目を通し、じっくり考える問題は最後に落ち着いて取り組みたい。
【大問1】地理分野
- 難度:標準
- 時間配分:11分
- ★必答問題
いくつかの都府県を題材に、その位置や産業などについて訊かれている。
問1 Cは谷津干潟がある千葉県で日本なし、Dは日本海側で稲作地帯の山形県で西洋なし。
問2 (1) Aは四国でうずしおが見られる徳島県・淡路島のことで、ウ。イは佐渡島である。
(2) Bは宮城県で杜の都・仙台市。
(3) 近郊栽培の利点としては、作物を短時間で新鮮なまま消費地に運べること、消費地が近いので輸送費が安くすむことなどがあげられる。
(4) 冬に大陸から吹く北西の季節風と対馬海流により、雪が多くなる。
(5) Eは東京都。イ. 都市部の人件費は高くなるので、×。
(6) Fはトマト栽培1位の熊本県。ほかにはすいか・かすみ草などが1位(2018年度)である。
(7) Dは山形県・庄内平野、Eは東京都で関東平野。
(8) 徳島県はすだちの生産98.3%を占める。
問3 C・千葉県は石油・化学・鉄鋼などの多さからイ、F・熊木県は電子部品・食料品が多い特徴からウが選べる。
【大問2】歴史分野
- 難度:やや難
- 時間配分:11分
- ★必答問題
ある寺院を中心に、各時代の人物や政治について訊かれている。
問1 徳川吉宗の享保の改革(1716~)の時期にあたる。アは水野忠邦の天保の改革、ウは松平定信の寛政の改革、エは田沼意次の政策の一部である。
問2・問3・問5 710年に平城京に遷都されたときに移転された寺が興福寺と改められ、以降は藤原氏の氏寺として多くの荘園を保有し、奈良県で勢力を強めた。
問4 (1) 当時の東北地方は大きく出羽国と陸奥国に分かれ、出羽国では山形県、陸奥国では宮城県に国分寺が建てられたため、福島県には国分寺はなかった。
(2) 下線は聖武天皇のこと。734年に墾田永年私財法が出されているので、アが正しい。
問6 運慶が興福寺・東大寺の復興造仏に携わっている。行基は大仏建立に尽力したが、奈良時代の話である。
問7 室町幕府で将軍の補佐にあたるのは管領。赤松氏・一色氏・山名氏は侍所の長官を務めた家柄である。
問8 (2) 1582年以降、豊臣秀吉は順次各国の検地をおこない(太閤検地)、石高を定めていった。
問9 すべての人がどこかの寺の檀家となるよう義務付けられ(寺請制度)、キリスト教徒でないことの証明とされた。
問10 1881年10月、政府は10年後の国会開設を約束した(国会開設の詔)。
【大問3】政治経済分野
- 難度:やや難
- 時間配分:8分
議会制民主主義や選挙制度について。
問1 国会は国権の最高機関であるとされるが、その権力はあくまで国民から負託されたものである。
問2 (1) リンカーンのゲティスバーグにおける演説の一節「人民の、人民による、人民のための政治」。
(2) 天皇の地位は「主権の存する日本国民の総意に基づく」と、憲法第一条にある。
問3 国会は内閣が適正に行政を行っているか調べることができる(国政調査権)。「知る権利」は憲法には規定がないが、近年に認められるようになった権利である。
問5 ウ. 総人口や労働人口の減少で労働力が不足する事態に備えるため、外国人の受け入れを拡大する目的がある。
問6 ア. 両議院とも、半数には及んでいないので×。
問7 「特定枠」は比例代表において当選者の順位をあらかじめ決めておくことができる制度。特定枠の候補者は、個人としての選挙活動が認められていない。
攻略のポイント
記号選択と適語記入中心のシンプルでオーソドックスな試験である。しかし、選択肢問題でも、細部・周辺事項まで正確な知識がないと正解を選べない難しい問題も多く、けっして楽ではない。極端な難問奇問は無いものの、高い実力が要求される。
丁寧な学習でテキスト・副教材の細部までよく理解し、マスターを目指したい。資料集などで統計に強くなっておくことも大事である。
また、社会的な出来事にもよく目を配り、時事問題にも十分な対策をとっておこう。
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