早稲田中学校 入試対策
2023年度「早稲田中学校の社会」
攻略のための学習方法
地理分野
日本の地名・地勢や気候、各地の産業の特色などの基本的事項について広く出題されている。
漁業・食糧危機といったあるテーマに沿った出題や、九州・北海道といったひとつの地域にスポットを当てた出題などがある。
地図やグラフ・統計資料を読み取って、その分野や地域についての総合的な知識を問う、というような問題が多いので、地図・白地図や資料集を常に活用して知識をまとめておくようにする。
また、貿易とのつながりで世界地理が多く出題される傾向にあるので、日本地図だけでなく世界地図にも親しむためにも、白地図で位置や周辺地域との関連も見ておきたい。
歴史分野
各時代から出題されている。
問題の形式も、ある分野の時代の流れを追うものや、一つの時代にポイントを絞って問うもの、いくつかの歴史的な事柄で小さく区切って訊いてくるもの等、さまざまである。
歴史分野でも、史料が多く用いられる。何の史料かがわかっていないと答えられない問題もあるので、資料集でたくさんの史料に触れておきたい。
また、外交史・文化史のようにポイントを絞って流れを追う問題も出されることが多いので、年表で分野ごとに流れをまとめて覚えておくと良い。
重要事項の年代もよく訊かれるので、ここでも年表を活用して総合的に頭に入れるようにしたい。
政治経済分野
この分野では、難解な細かい知識を問われることはない。基本事項がしっかり頭に入っていれば対応できる。
「日本国憲法」「三権の仕組み」など、基礎的な知識をしっかり固めておく。
また、この分野と関連して時事的な問題が出されることが多いので、新聞・ニュースでその時々の話題の出来事をチェックしておく。社会統計などで、現代社会の実態も理解しておこう。
まとめ
高偏差値の学校の試験であり、難しい問題も散見される。
特に、選択肢の問題にはテキストレベルを超える問題もみられ、最新の情報を必要とされる設問も多い。テキストを一通りマスターしたら、ハイレベルの教材でさらに細部の知識まで補強しておきたい。
本文や資料の文が多めだったり、本文から答えとしてふさわしい部分を抜き出したりと、国語の読解力が必要とされるような部分がある。また、時代ごとに並べ替えたり、○×の正しい組み合わせを選んだりと、正確な知識がないと答えられない設問もある。
テキストをまずはマスターし、問題集で確認する。資料を読み取る問題が頻出なので、地図・白地図・資料集でさらに知識を確実なものにする。年表を使い、体系的に整理する。重大ニュース集で近年の社会的な出来事を把握しておく。
社会の基本的な学習方法で正確な知識を身につけておくこと、そのうえでもう一段階高度な学習でさらに詳しく踏み込んでおくことが望ましい。
高い得点での勝負になるので、あいまいな知識では足をすくわれるので要注意だ。
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2023年度「早稲田中学校の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
問題数は地理分野10問・歴史分野13問・政治経済分野14問という割合であった。
2023年度は短文の記述問題が出されているが、長時間考えるような設問はないのでてきぱき答えていこう。ただし、単純な知識だけでは答えられない問題もあり、そこはゆっくり考えたい。とにかく最後まで目を通し、じっくり考える問題は最後に落ち着いて取り組みたい。
【大問1】地理分野
- 難度:標準
- 時間配分:8分
- ★必答問題
北海道旅行を題材に、各地の地形や産業などについて訊かれている。
問1 有珠山は洞爺湖と合わせてユネスコ世界ジオパークに認定されている。
問2 かつては透明度世界一だったこともある摩周湖、ホタテの養殖が盛んなサロマ湖、藻の一種で球状集合体を形成するマリモが生息する阿寒湖など、北海道には特色ある湖が多く存在する。
問3 北海道南東部では沖合を流れる寒流の千島海流の影響で夏に濃霧が発生し、日照不足により気温が低くなる傾向がある。
問4 大都市周辺の県が多い。大消費地の近くで生産した方が、輸送時間が短く鮮度を保てるからである。
問5 静岡県の富士市や愛媛県の四国中央市などで製紙・パルプ業が盛んである。
問6 兵庫県が3位に入っているのでAはたまねぎ、長崎県が3位なのでCがじゃがいも、Bがにんじんとなる。
問7 エ. アイヌは王国を作らなかったので、×。
問8 北海道を開拓する際に、かつての条里制にならった碁盤の目のような道と区画を整理した。
問9 二つの世界遺産は原爆ドームと厳島神社と考えられるのでBは広島市、Cは道後温泉のことと思われるので松山。Aは地震で被害を受けた熊本城のことであろう。
【大問2】歴史分野
- 難度:やや難
- 時間配分:11分
- ★必答問題
学校や学問の歴史を題材にして、各時代の出来事や人物について訊かれている。
問1 (A) 空海は真言宗の開祖で、高野山に金剛峰寺を建てた。
(B) 1932年5月15日、犬養毅首相が海軍将校らに暗殺された。
問2 アは8世紀、イは内容に誤りがあり、エは11世紀の出来事である。
問3 菅原道真は、藤原時平の陰謀で大宰府に左遷された。
問4・問5 上杉憲実は関東管領だった人物で、足利学校(栃木県)を再興したことでも知られている。
問6 ウ. バテレン追放令を出したのは文禄の役の前なので、誤り
問7 ア. 松平定信による寛政の改革の内容として正しい。イは享保の改革、ウは天保の改革、エは田沼意次の改革のことである。
問8 人物は本居宣長で、外国の影響を受ける前の日本を研究する国学を大成した。
問9 ア. 田中正造と秩父事件は関係がない。
ウ. 初代内閣総理大臣は伊藤博文である。
エ. 立憲改進党を結成したのは大隈重信である。
問10 改正前は授業料が有料であり、一般家庭には負担が大きかった。
問12 国家総動員法(1938年)・米の配給制(1941年)・集団疎開(1944年)の順。
【大問3】政治経済分野
- 難度:標準
- 時間配分:11分
沖縄返還50周年を題材にした問題。
問1 (A) 主権 (B) 小笠原 (C) 核
問2 (D) 日本にある米軍の施設のうち約7割が沖縄県にある
(E) 沖縄県の面積約2280平方キロメートルと日本の国土を約380000平方キロメートルとして比べると、およそ0.6%にあたる。
問3 日米安全保障条約の改定にともない結ばれた日米地位協定は、たとえば米軍兵士による日本国内での犯罪についてアメリカ側が同意しなければ捜査・逮捕ができないなど、日本に不利な内容になっている。
問4 沖縄返還協定の調印は佐藤栄作首相とニクソン大統領によって行われた。
問5 Ⅰ. 東京では福生市に日米が共同使用する横田基地が、神奈川県には座間・横須賀などに米軍の施設がある。
Ⅲ. 経費を一部負担しているが、1978年からなので間違っている。
問6 エ. 英語を公用語とする教育は行われなかった。
オ. 現在にいたるまで、国鉄(JR)の鉄道は整備されていない。
問7 普天間飛行場の位置はオで住宅地に近いため移転が望まれていた。代替地である辺野古はイの位置にあり、サンゴなど多様な生物が棲息する海域であるため、反対運動が続いている。
問8 沖縄地方では古くは城を「スク」と呼んでいた。グスク(御城)とも言う。
攻略のポイント
記号選択と適語記入中心のシンプルでオーソドックスな試験である。しかし、選択肢問題でも、細部・周辺事項まで正確な知識がないと正解を選べない難しい問題も多く、けっして楽ではない。極端な難問奇問は無いものの、高い実力が要求される。
丁寧な学習でテキスト・副教材の細部までよく理解し、マスターを目指したい。資料集などで統計に強くなっておくことも大事である。
また、社会的な出来事にもよく目を配り、時事問題にも十分な対策をとっておこう。
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