早稲田実業学校中等部 入試対策
2018年度「早稲田実業学校中等部の理科」
攻略のための学習方法
早稲田実業中の理科の得点は、50点満点。
標準レベルの問題が多いが、かなりの知識がないと解けない問題も多くなっている。長めの問題文やグラフ・表・図をしっかり読み取らないと解けない問題も出題される。基本の定着はもちろんのこと、秋以降には、過去問や出題傾向に近いタイプの問題の演習も十分に行って頂きたい。
また、時事問題対策も十分行って欲しい。演習に使う問題の選択については、家庭教師に相談して欲しい。
<分野毎の学習法>
生物分野 本年は植物の働きに関する出題であった。近年では、人間の血液や血液循環について、植物の蒸散作用について等の出題が見られた。ここ何年かの出題分布を見ると、植物・動物・人のからだの働き、いずれも出題頻度が高くなっている。
この分野の学習法としては、まずは生物すべての分野について基本知識をしっかり身につけて頂きたい。さらに、植物の働きや人のからだの働きに関する実験や観察を通して考えさせる問題の演習をしっかりおこなって欲しい。
地学分野 本年度は天体に関する出題であった。近年では、月の満ち欠け等天体に関する出題、台風など気象についてなどの出題が見られた。今後も天体の出題が多いことが予想され、気象に関しては台風やフェーン現象等について、また、地震や火山噴火についての出題も十分考えられる。どれが出題されても大丈夫なように、基本の確認・問題の演習を十分行って頂きたい。
また、時事問題対策として、その年に起こった出来事に関しては入試前にしっかり確認しておきたい。
物理分野 本年は発電に関する出題であった。ほとんどが知識を問う内容で、かなり難度が高い出題であった。近年では、電気についておよび光に関する計算問題などが見られた。てこ、ばねなどの力のつり合いの計算問題はあまり出題されていない。
今後も光や電気についての出題が予想され、力のつり合いについても今後は出題される可能性はあるので、計算問題の練習はしっかり行って欲しい。
化学分野 電熱線による発熱に関する出題であった。近年の出題傾向を見ると、中和等の化学計算はあまり出題されていない。しかし、溶解度に関する計算問題が出題された年度もあるので、今後は中和・水溶液と金属の反応・金属の燃焼等に関する計算問題の出題が多くなる可能性もある。
塾のテキストや問題集を使って計算練習をしっかり行って欲しい。それとともに、気体や水溶液の性質、指示薬の色の変化など知識事項もしっかり頭に入れて欲しい。
早稲田実業で合格点を取れる力を身につけるためには、まずは夏休み中までに各分野の基本の学習を終えておきたい。そのうえで、9月以降は入試問題と同タイプの総合的な問題演習にも時間をかけて欲しい。もちろん9月以降でまだ苦手な単元に関してはさらに力を入れて定着させる必要がある。9月以降の模試や総合的な演習は、まだ仕上がっていない分野を見つける絶好のチャンスでもある。できていない問題については、なぜ間違えたのかの分析をしっかり行い、苦手分野の克服につなげて欲しい。
入試直前期には時事問題対策の本が各塾や出版社から出されるので、それらをしっかり活用して頂きたい。
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2018年度「早稲田実業学校中等部の理科」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問数は4題、小問数は20題程度で50点満点。試験時間は30分で例年通りであった。
適語を答える問題、記号選択問題が中心で、計算問題や記述問題もあった。問題文を読んでから答える問題や実験・観察の結果をもとに考えるタイプの問題が中心。知らなければ答えられない、やや細かい知識問題もあるので注意が必要である。30分という試験時間はやや短いが、慌てることなく取り組んで欲しい。
【大問1】植物のはたらき・気体の性質に関する出題
- 難度:標準
- 時間配分:8分
問1 BTB溶液の色の変化についての知識問題。酸性で黄色、中性で緑色、アルカリ性で青に変化する。
問2 光合成で発生した酸素の性質に関する知識問題。助燃性があり、二酸化マンガンに過酸化水素水を加えると発生する。
問3 記述問題。オオカナダモが光合成で二酸化炭素を吸収したことにより、酸性から中性さらにアルカリ性に変化する。
植物の光合成のはたらきと、気体の性質と指示薬の色の変化についての問題。字数指定の記述問題はやや苦労するが、内容としては基本的な知識問題。
<時間配分目安:8分>
【大問2】天体に関する出題
- 難度:標準
- 時間配分:6分
- ★必答問題
問1 冬至の日の太陽の南中高度は、90-その土地の緯度―23.4 で求まる。
問2 地軸の北極側が傾いている方向にある月の南中高度が高くなる。従って、満月の南中高度が高くなるのは冬至、上弦の月の南中高度が高くなるのは春分の日になる。
問2で使う知識は非常に重要。正答できなかった場合は、これを機会に考え方を理解して、使えるようにして欲しい。
<時間配分目安:6分>
【大問3】電流による発熱に関する出題
- 難度:標準
- 時間配分:8分
- ★必答問題
問1 実験の結果より、加熱時間と上昇温度は比例の関係、液体の質量と上昇温度は反比例の関係にあることがわかる。
問2 150gを5℃上げるのに180秒かかっているので、1℃上げるのには36秒かかる。また水の質量が100gになると、24秒必要となる。
問3 B250gを200秒加熱すると5℃上昇するので、10℃上昇させるには、400秒必要。192秒で10℃上昇させるには、250×192÷400より、Bを120gにすればよい。
問4 実験の結果より、A100gを1℃上昇させるのに24秒、B100gを1℃上昇させるのに16秒、C100gを上昇させるのに40秒かかることがわかる。A220gを10℃上昇させるのには528秒、B280gを10℃上昇させるのには448秒、C120gを10℃上昇させるには480秒かかる。なお、Bを加熱する電熱線とCを加熱する電熱線は並列つなぎなので、流れる電流はBだけ、Cだけに電流を流したときと同じである。
今年度の入試において合否を分ける大問の1つであろう。水の上昇温度と質量の関係、水の上昇温度と時間との関係は実験の結果から読み取れるが、知識としてもしっかり押さえておきたい。この大問で失点した場合は、上記の関係をしっかり理解するとともに、問題集等で同類の問題の演習を行って頂きたい。
<時間配分目安:8分>
【大問4】発電に関する出題
- 難度:難
- 時間配分:8分
問1 知識問題であるが難問。石炭の可採年数は石油や天然ガスの2倍以上ある。また、天然ガスは化石燃料の中でエネルギー変換効率が最も高い。
問2 日本の再生可能エネルギーについて、発電量の多い順に並べると、太陽光・風力・地熱 となる。
問3 再生可能エネルギーの利用が進まない理由に関する理由に関する問い。制度による制限と自然環境に左右される2点が考えられる。
問4 2011年以降発電量の分布に変化が生じているのは、東日本大震災以降、原子量発電が大幅に減ったためである。
問5 エネルギー利用効率を高める技術を「コジェネレーション」という。
問6 空気中にある二酸化炭素を生物が利用することで、二酸化炭素が発生しても二酸化炭素の総量は変化せず、環境への負荷はない、という考え方を「カーボンニュートラル」という。
問7 アメリカで開発されたトウモロコシからバイオエタノールを合成する方法は、畜産飼料の価格上昇などの影響を与えた。また、ハイブリッドカーや電気自動車には、技術的課題がまだ残されている。
問1~問7いずれも難問。知らないと解けない問題が多く、はっきり言って小学生でこれらの問いを明確に答えられる生徒は僅少であろう。
攻略ポイント
早稲田実業の理科の入試問題のここ数年の傾向として、時事問題等の「知らなければ解けない問題」が多くなっているのが特徴。今年度入試においては大問4がそれに該当する。塾のテキストだけの学習ではなく、科学や自然に関して日頃から関心を持つことが大切である。入試直前期には時事問題対策をしっかり行う必要もあろう。大問4以外では、字数指定の記述問題や計算問題も見られるが、日頃の学習の成果を発揮できる問題が並んでいる。
本校の理科を攻略するためには、まずは各分野の基本知識を確実に固めることが必要不可欠である。早い段階で各分野の基本をしっかり固めたい。その上で、秋以降は長めのリード文や図、表、グラフを基に考えるタイプの問題や、計算問題の練習を十分に行いたい。
また、時事問題対策を十分行って欲しい。日頃からニュース・天気予報などにも関心を持つことが大切であるが、直前期には時事問題対策のテキスト等も用いて欲しい。
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