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早稲田実業学校中等部 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2020年度「早稲田実業学校中等部の理科」
攻略のための学習方法

早稲田実業中の理科の得点は、50点満点。標準レベルの問題が多いが、かなりの知識がないと解けない問題も多くなっている。長めの問題文やグラフ・表・図をしっかり読み取らないと解けない問題も出題される。また、記述問題が出題されることもある。基本の定着はもちろんのこと、秋以降には、過去問や出題傾向に近いタイプの問題の演習も十分に行っていただきたい。また、時事問題対策も十分行って欲しい。演習に使う問題の選択については、家庭教師に相談して欲しい。

 

分野毎の学習法

生物分野 本年は動物の進化を中心とした内容の出題であった。

近年では、昆虫、植物の働きについて、人間の血液や血液循環について等の出題が見られた。ここ何年かの出題分布を見ると、植物・動物・人のからだの働き、いずれも出題頻度が高くなっている。この分野の学習法としては、まずは生物すべての分野について基本知識をしっかり身につけていただきたい。さらに、植物の働きや人のからだの働きに関する実験や観察を通して考えさせる問題の演習をしっかりおこなって欲しい

地学分野 本年度はこの分野からの出題はなかった。

近年では、月の満ち欠け等天体に関する出題、台風など気象についてなどの出題が見られた。今後も天体と気象に関する出題が多いことが予想される。気象に関しては台風やフェーン現象等についてしっかり学習したい。今後は地震や火山噴火についての出題も十分考えられる。どれが出題されても大丈夫なように、基本の確認・問題の演習を十分行っていただきたい。また、時事問題対策として、その年に起こった出来事に関しては入試前にしっかり確認しておきたい。

物理分野 本年は光の性質(凸レンズによる像)がテーマの出題であった。

近年では、発電に関して、電気について、光に関する計算問題などが見られた。電気や光に関する出題がやや多く、その反面、てこやばねなどの力のつり合いの計算問題はあまり出題されていないのが特徴的。今後も光や電気についての出題が予想されるので、問題演習をしっかり行いたい。力のつり合いについても今後は出題される可能性はあるので、計算問題の練習はしっかり行って欲しい。

化学分野 今年度はプラスチックについての知識問題は見られたが、計算問題は見られなかった。

ここ何年かの出題傾向を見ても、中和等難度の高い計算問題はあまり出題されていない。今後は中和・水溶液と金属の反応・金属の燃焼等に関する計算問題の出題が多くなる可能性もある。塾のテキストや問題集を使って計算練習をしっかり行って欲しい。それとともに、気体や水溶液の性質、指示薬の色の変化など知識事項もしっかり頭に入れて欲しい。

 

早稲田実業で合格点を取れる力を身につけるためには、まずは夏休み中までに各分野の基本の学習を終えておきたい。そのうえで、9月以降は入試問題と同タイプの総合的な問題演習にも時間をかけて欲しい。もちろん9月以降でまだ苦手な単元に関してはさらに力を入れて定着させる必要がある。9月以降の模試や総合的な演習は、まだ仕上がっていない分野を見つける絶好のチャンスでもある。できていない問題については、なぜ間違えたのかの分析をしっかり行い、苦手分野の克服につなげて欲しい。
入試直前期には時事問題対策の本が各塾や出版社から出されるので、それらをしっかり活用していただきたい

 

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2020年度「早稲田実業学校中等部の理科」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

大問数は3題、小問数は20題程度で50点満点。試験時間は30分で例年通りであった。記号選択問題が中心で、計算問題、記述問題、作図問題もあった。長めのリード文を読んだ上で考えるタイプの問題が中心。やや細かい知識問題もあるので注意が必要である。30分という試験時間に対して問題数は決して多くはないので、落ち着いて取り組んで欲しい。

【大問1】光の性質(凸レンズによる像)

  • 難度:標準
  • 時間配分:10分
  • ★必答問題

 問1 凸レンズを通った光の進む道筋を作図する問題。光の進み方や屈折の仕方については、問題文の中にかなり親切に書かれてあるので、それに従うこと。

 問2 4の字の光は、凸レンズを通った後上下左右が反対になる。A君は凸レンズ側からスクリーンを見ていることに注意。

 問3 虫メガネの原理に関する出題。作図・簡単な記述問題・計算問題が含まれている。計算は描いた図を基に計算。

 

凸レンズに像のでき方を中心とした光の性質に関する出題。作図のヒントとなる解説が書かれているので難問ではないが、同様の問題で作図の練習や問題演習を十分に行っているかどうかで明暗が分かれる

【大問2】動物の進化

  • 難度:やや難
  • 時間配分:10分

問1 環境に適応するために、からだの構造や機能が変化してきたことを「進化」という。

問2 草食動物の特徴に関する○×問題。

問3 無性生殖と有性生殖の違いに関する選択問題。テキスト等ではほとんど扱わない内容だが、問題文に書かれてある内容を理解しながら解き進めれば十分正答可能。

問4 60字から80字の記述問題。猿人から原人になるまでに脳が発達理した理由について、自分自身の考えをまとめるという出題。狩りや火の使用などと結び付けて考えること。これだけが正解というものはないので、大事なことは、指定された字数で解答欄を埋めること。

 

前半は知識問題。後半は問題文を読んで書かれてある内容を理解する力や、表を分析し、自分の考えをまとめる力が必要。

【大問3】プラスチック・環境問題

  • 難度:標準
  • 時間配分:10分

問1 プラスチックは燃焼温度が高く、発熱量も多い。

問2 プラスチックの燃焼により「ダイオキシン」と呼ばれる有毒物質が発生する。

問3 バイオプラスチックや生分解性プラスチックなど、環境への影響を考えて開発されているプラスチックについての問い。

問4 プラスチックゴミを流す海流に関する問い。細かい知識が必要。

問5 日光に含まれる紫外線によってプラスチックゴミはもろくなる。

問6 マイクロプラスチックを海に住む魚などの生物が取り込むなど、生態系への影響が心配されている。

問7 まずはの体積を計算。重さ÷体積が0より小さいものは水に浮く。水に浮く軽いプラスチックはビニール袋として利用される。

 

プラスチックや環境問題に関する出題で、やや細かい知識も求められている。環境問題など身の回りの科学・自然に日頃から興味を持っているかが問われる内容になっている。

攻略のポイント

早稲田実業の理科の入試問題のここ数年の傾向として、時事問題等の細かい知識について問われる出題が多いことがあげられる。今年度入試においても、プラスチックや環境問題についての知識問題が出題された。日頃の学習において、塾のテキストだけではなく、科学や自然に関して関心を持つことが大切であるニュース、新聞等を見て欲しい入試直前期には時事問題対策をしっかり行う必要もあろう

本校の理科を攻略するための基本的な対策としては、まずは各分野の基本知識を確実に固めることが必要不可欠である。早い段階で各分野の基本をしっかり固めたい。その上で、秋以降は長めのリード文や図、表、グラフを基に考えるタイプの問題や、計算問題・記述問題の練習を十分に行いたい

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