早稲田実業学校中等部 入試対策
2021年度「早稲田実業学校中等部の理科」
攻略のための学習方法
早稲田実業中の理科の得点は、50点満点。標準レベルの問題が多いが、細かい知識がないと解けない問題が多いことが特徴。長めの問題文やグラフ・表・図をしっかり読み取らないと解けない問題も出題される。また、記述問題が出題されることも多い。今年度は昨年度よりも多い120字以内の記述問題であった。基本の定着はもちろんのこと、秋以降には、過去問や出題傾向に近いタイプの問題の演習も十分に行おう。また、時事問題対策も十分行って欲しい。演習に使う問題の選択については、家庭教師に相談して欲しい。
<分野毎の学習法>
生物分野 本年は生物と環境を中心とした内容の出題であった。近年では、動物の進化、昆虫、植物の働き、人間の血液や血液循環等の出題が見られた。この分野の学習法としては、まずは生物すべての分野について基本知識をしっかり身につけよう。さらに、植物の働きや人のからだの働きに関する実験や観察を通して考えさせる問題の演習をしっかりおこなって欲しい。今年度のように環境をテーマにした出題は今後も想定されるので注意が必要である。
地学分野 本年度は火山と岩石に関する出題であった。近年では、月の満ち欠け等天体に関する出題、台風など気象についてなどの出題が見られた。今後も天体・気象・地層・岩石など幅広い単元からの出題が予想される。気象に関しては台風やフェーン現象等様々な気象現象について、今年度同様に地震や火山噴火についての出題も十分考えられる。どれが出題されても大丈夫なように、基本の確認・問題の演習を十分行おう。また、時事問題対策として、近年に起こった出来事に関しては入試前にしっかり確認しておきたい。
物理分野 本年は物質の性質についての出題が見られた。近年では、光の性質、発電に関して、電気についてなどの出題が見られた。電気や光に関する出題がやや多く、その反面、てこやばねなどの力のつり合いの計算問題はあまり出題されていないのが特徴的。今後も光や電気を中心とした出題が予想される。また、今年度出題された物の性質など基本知識については確実に定着させておきたい。力のつり合いについても今後は出題される可能性はあるので、計算問題の練習はしっかり行って欲しい。
化学分野 今年度はものの溶け方に関しての出題が見られた。過去の出題傾向を見ると、中和反応など難度の高い計算問題はあまり出題されていない。
この分野の対策としては、まずは気体や水溶液の性質、指示薬の色の変化などについて基本知識を確実に固めたい。今後は中和・水溶液と金属の反応・金属の燃焼等に関する計算問題の出題が多くなる可能性もある。塾のテキストや問題集を使って計算練習をしっかり行って欲しい。
早稲田実業で合格点を取れる力を身につけるためには、まずは夏休み中までに各分野の基本の学習を終えておきたい。そのうえで、9月以降は入試問題と同タイプの総合的な問題演習にも時間をかけて欲しい。もちろん9月以降でまだ苦手な単元に関してはさらに力を入れて定着させる必要がある。9月以降の模試や総合的な演習は、まだ仕上がっていない分野を見つける絶好のチャンスでもある。できていない問題については、なぜ間違えたのかの分析をしっかり行い、苦手分野の克服につなげて欲しい。
入試直前期には時事問題対策の本が各塾や出版社から出されるので、それらをしっかり活用しよう。
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2021年度「早稲田実業学校中等部の理科」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問数は3題、小問数は20題程度で50点満点。試験時間は30分で例年通りであった。記号選択問題、適語を答える問題、計算問題が中心で、記述問題、グラフ作成問題もあった。長めのリード文を読んだ上で考えるタイプの問題が中心。やや細かい知識問題もあるので注意が必要である。30分という試験時間に対して問題数は決して多くはないので、落ち着いて取り組んで欲しい。
【大問1】火山・岩石
- 難度:標準
- 時間配分:8分
- ★必答問題
問1 西之島の所在地は東京都。
問2 西之島近くの新島出現に影響するプレートは、太平洋プレートとフィリピン海プレート。
問3 記述問題を含む。火成岩は地下深くでできる深成岩と地表付近でできる火山岩に分かれる。安山岩と玄武岩は火山岩に含まれる。火山岩は斑晶とよばれる小さな粒の集まりの中に、大きめのいくつかの鉱物の結晶が見られる。
問4 火砕流は高温ではあるが、島を溶かしてしまうほどではない。
問5 「火山はなだらかな形」「海岸の砂は黒い」より、キラウエア火山のマグマの流動性は高く、玄武岩から成ると考えられる。
火山と岩石に関する出題。西之島やキラウエア火山など最近の噴火に関する時事的な内容も含まれている。また、プレートの名称など、やや細かい知識問題も含まれる。岩石の分類など基本知識問題は確実に正答しておきたい。知識での失点はしっかり復習するとともに、地震・噴火・気象等に関する興味関心を日頃から持って欲しい。
【大問2】生物と環境
- 難度:やや難
- 時間配分:12分
問1 プランクトンの栄養源になるということから、「リン」「ちっ素」。
問2 絵から植物プランクトンを選択する問い。また、ミジンコに見られる赤色は、「酸素濃度の低い環境で生きていくための適応」よりヘモグロビンと考えられる。
問3 表で示されたデータからの考察し、120字以内でまとめる記述問題。
湖の表面近くでは植物プランクトンによる光合成が盛んで二酸化炭素の吸収量が多いが、湖底では二酸化炭素の吸収が減る一方、細菌による呼吸で二酸化炭素の放出量が増える。二酸化炭素が多いほどpH値が小さくなる。
問4 生物を構成する物質は生態系を「じゅんかん」していく。
問3の記述は120字と昨年より長い指定になっている。基本知識問題は確実に正答したい。
【大問3】物の性質・溶け方
- 難度:やや難
- 時間配分:10分
<Ⅰ>
問1 3.51×0.11÷0.2 より四捨五入して、1.9カラット
問2 熱伝導率の高い順に、銀→銅→金→鉄 となる。
問3 電子機器や電気自動車に採用されているのは、リチウムイオン電池。
問4 リチウムイオン電池の開発でノーベル化学賞を受賞した日本人は、吉野彰氏。
問5 グラフ作成問題。100℃における飽和食塩水の濃度が28%より、75gの水に溶ける食塩水の重さは、28÷72×75 より約29g。食塩の溶解度は水の温度を0℃から100℃まで上げてもわずかしか増えないことは、知識として知っていなくてはいけない。
<Ⅱ>
A、B2つの数量比較の問題。②の塩酸と水酸化ナトリウム水溶液の中和反応では、
Aと比べてBは余った水酸化ナトリウムが多くなる分重くなる。
④では、同じ体積のアンモニア水で比べると、濃いアンモニア水ほど軽くなることに注意。
物の性質や溶け方についての出題。ノーベル賞受賞者の名前・熱伝導率など時事的内容を含めた細かい知識が必要。
攻略のポイント
早稲田実業の理科の入試問題のここ数年の傾向として、時事問題等の細かかい知識について問う出題が多いことがあげられる。今年度入試においても、西之島の所在地・プレートの名前・ノーベル賞受賞者など時事的な知識問題が複数出題された。日頃の学習において、塾のテキストだけではなく、科学や自然に関して関心を持つことが大切である。ニュース、新聞等を見て欲しい。入試直前期には時事問題対策をしっかり行う必要もあろう。
本校の理科を攻略するための基本的な対策としては、まずは各分野の基本知識を確実に固めることが必要不可欠である。早い段階で各分野の基本をしっかり固めたい。その上で、秋以降は長めのリード文や図、表、グラフを基に考えるタイプの問題や、計算問題・記述問題の練習を十分に行いたい。
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