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早稲田実業学校中等部 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2022年度「早稲田実業学校中等部の理科」
攻略のための学習方法

早稲田実業中の理科の得点は、50点満点。標準レベルの問題が多いが、細かい知識がないと解けない問題が多いことが特徴。長めの問題文やグラフ・表・図をしっかり読み取らないと解けない問題も出題される。また、記述問題が出題されることも多い。今年度は30~40字、昨年は120字以内の記述問題が見られた。基本の定着はもちろんのこと、秋以降には、過去問や出題傾向に近いタイプの問題の演習も十分に行おう。また、時事問題対策も十分行って欲しい。演習に使う問題の選択については、家庭教師に相談して欲しい。

<分野毎の学習法>

生物分野 本年は植物の働きを中心とした内容の出題で、食虫植物についてなどかなり細かい知識を問う問題も見られた。近年では、生物と環境、動物の進化、昆虫、植物の働き、人間の血液や血液循環等の出題が見られた。この分野の学習法としては、まずは生物すべての分野について基本知識をしっかり身につけておこう。さらに、植物の働きや人のからだの働きに関する実験や観察を通して考えさせる問題の演習をしっかりおこなって欲しい。また、環境をテーマにした出題も想定されるので注意が必要である。

地学分野 本年度は地球温暖化など環境問題に関する出題であった。近年では、火山と岩石、月の満ち欠け等天体に関する出題、台風など気象についてなどの出題が見られた。今後も天体・気象・地層・岩石など幅広い単元からの出題が予想される。気象に関しては台風やフェーン現象等様々な気象現象について、今年度同様に地震や火山噴火についての出題も十分考えられる。どれが出題されても大丈夫なように、基本の確認・問題の演習を十分行おう。また、時事問題対策として、近年に起こった出来事に関しては入試前にしっかり確認しておきたい。

物理分野 本年はモーターと電気回路についての出題が見られた。近年では、物質の性質、光の性質、発電に関して、電気についてなどの出題が見られた。電気や光に関する出題がやや多く、その反面、てこやばねなどの力のつり合いの計算問題はあまり出題されていないのが特徴的。今後も光や電気を中心とした出題が予想される。また、今年度出題された物の性質など基本知識については確実に定着させておきたい。力のつり合いについても今後は出題される可能性はあるので、計算問題の練習はしっかり行って欲しい。

化学分野 今年度は二酸化炭素を中心とした気体の性質についての出題であった。過去の出題傾向を見ると、中和反応など難度の高い計算問題はあまり出題されていない。

この分野の対策としては、まずは気体や水溶液の性質、指示薬の色の変化などについて基本知識を確実に固めたい。今後は中和・水溶液と金属の反応・金属の燃焼等に関する計算問題の出題が多くなる可能性もある。塾のテキストや問題集を使って計算練習をしっかり行って欲しい。

早稲田実業で合格点を取れる力を身につけるためには、まずは夏休み中までに各分野の基本の学習を終えておきたい。そのうえで、9月以降は入試問題と同タイプの総合的な問題演習にも時間をかけて欲しい。もちろん9月以降でまだ苦手な単元に関してはさらに力を入れて定着させる必要がある。9月以降の模試や総合的な演習は、まだ仕上がっていない分野を見つける絶好のチャンスでもある。できていない問題については、なぜ間違えたのかの分析をしっかり行い、苦手分野の克服につなげて欲しい。

入試直前期には時事問題対策の本が各塾や出版社から出されるので、それらをしっかり活用していこう。

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2022年度「早稲田実業学校中等部の理科」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

大問数は3題、小問数は20題で50点満点。試験時間は30分で例年通りであった。記号選択問題、適語を答える問題、計算問題が中心で、記述問題もあった。長めのリード文を読んだ上で考えるタイプの問題が中心。やや細かい知識問題もあるので注意が必要である。30分という試験時間に対して問題数は決して多くはないので、落ち着いて取り組んで欲しい。

【大問1】電気回路とモーター

  • 難度:標準
  • 時間配分:10分
  • ★必答問題

問1 記述問題。磁石のN極とS極を入れ替えると、モーターの回転の向きは逆になる。

問2 図より、乾電池の+をモーターのAに、-をモーターのHにつなぐような配線にすればよい。

問3 左側のダイヤルを回転させたときにBとD、右側のダイヤルを回転させたときにGとEがつながればよい。

問4 スイッチを使って電流の入り/切りを行うためには、モーターの回転の向きがどちらであっても常に電流が流れている区間にスイッチを設ければよい。

問5 かぎをかけているときだけに電流が流れる区間にスイッチを設ければよい。

モーターと電気回路に関する出題。問2を正答できるかどうかが大きなポイント。電気回路についての基本知識は絶対に必要。モーターの動作に関しては、問題文と図から読み取ること。

【大問2】気体の性質・植物の働き

  • 難度:やや難
  • 時間配分:10分

問1 植物がデンプンのような有機物を作る働きは「光合成」。

問2 二酸化炭素は水に溶けるが、水上置換法で集めることができる。

問3 気体Bは二酸化炭素。二酸化炭素を発生させるために必要な液体はうすい塩酸、必要な固体は石灰石。

問4 ろうそくのまわりに二酸化炭素が増え、酸素が不足するためにろうそくの炎は消える。

問5 植物が動物に食べられないようにしている工夫についての選択肢問題。小学生が知らないであろう知識ばかりであり、選択が難しい。

問6 栄養が少ない土地に生育する食虫植物は、不足しているリンや窒素などの栄養分を、捕えた動物から吸収している。

問7 30~40字の記述問題。虫媒花は昆虫の数が減って花粉が運ばれにくくなる可能性があるという欠点もある。

問8 いろいろな植物の種子がどのように運ばれるか、についての選択肢問題。

前半の二酸化炭素をテーマとした問題はすべて基本問題であり、確実に正答したい。後半はかなり細かい知識問題や記述問題など難しい問題が並んでいる。

【大問3】地球温暖化と環境問題

  • 難度:やや難
  • 時間配分:10分

問1 近年の梅雨の雨の降り方についての選択肢問題。キーワードは「温暖化」「オホーツク海気団」「日本南岸の気団」

問2 温暖化により、稲・リンゴなどの生育しやすい場所が北上すると考えられる。

問3 「二酸化炭素が大量に発生」より、石炭火力発電が選択される。

問4 問題文中にアルミニウムは「鉄の重量の2/3で鉄と同等の強度になる」とある。従って、鉄12kgと同程度の強度にするためには、8kgのアルミニウムがあればよい。

11×8-2×12 より、64kg多くなる。

問5 ハイブリッド車の特徴についての選択肢問題。難しい知識問題だが、ハイブリッド車の利点について書かれてあるものを選択すれば正答となる。

問6 水素と酸素の反応による電力システムの略号はFC

問7 水素利用における問題点についての選択肢問題。

・浮力は水に浸かったボンベの体積で決まるので、水素の軽さとは関係ない

・水素は水にほとんど溶けない

以上2点が選択のポイントとなる。

地球温暖化や環境問題に関する出題。ハイブリッド車の特徴などかなり細かい知識問題も含まれている。

攻略のポイント

早稲田実業の理科の入試問題のここ数年の傾向として、時事問題等の細かかい知識について問う出題が多いことがあげられる。今年度入試においても、食虫植物・ハイブリッド車など小学生にとってはかなり難しいであろう知識問題が複数出題された。テスト中の心構えとしては、何問か含まれている難しい知識問題以外で得点を稼ぐという気持ちが大切になる。

日頃の学習においては、塾のテキストだけではなく、科学や自然に関して関心を持つことが大切である。ニュース、新聞等を見て欲しい。入試直前期には時事問題対策をしっかり行う必要もあろう。

本校の理科を攻略するための基本的な対策としては、まずは各分野の基本知識を確実に固めることが必要不可欠である。早い段階で各分野の基本をしっかり固めたい。その上で、秋以降は長めのリード文や図、表、グラフを基に考えるタイプの問題や、計算問題・記述問題の練習を十分に行いたい。

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