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早稲田大学高等学院中学部 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2017年度「早稲田大学高等学院中学部の理科」
攻略のための学習方法

[答案作成力]

答案を作成する能力のうち、注目したいのは、速度と精度の、2つの能力だ。

これらの能力は、一朝一夕には身につかない。単純な知識の暗記であれば(一問一答であれば)、直前の対策でも、生徒に身につけさせることはできる。しかし、答案作成能力は、短期的には伸びにくい。長期間の学習によって、少しづつ身につけていくものだ。

したがって、早大学院中等部の志望者は、受験の早い段階から(理想的には小学5年生の後半から)、本番を想定した学習を心掛けたい。

具体的には、標準的な演習問題を解く比率を増やし、解答速度を上げておこう。中学受験のカリキュラムは、知識の暗記に時間がかかるので、演習まで手が回らなくなりやすい。そのような形で、演習量が不足してくると、いざ早大学院中等部の過去問に取りかかる時には、問題は解けるが、時間が足りない状態になり、焦ってしまうだろう。

そうならないために、基礎知識の暗記では満足せずに、積極的に演習まで挑戦していってほしい。学習時間を増やすことにはなるが、その演習の成果は、受験の本番が近づいてくれば、はっきりと現れてくる。

 

[生活環境の観察]

設問には、小学生の生活環境で出会いそうな題材が選ばれている。ここで問われているのは、志望者が、生活環境とのやりとりの経験から、知識を深めているかどうかだ。

例えば、【大問2】の(5)は、温度による科学現象を題材にしている。正答するためには、科学的な目で、外界を観察した経験が、求められる。

現代社会は、何気ない暮らしのなかに、いくつもの科学法則がそれとなく潜んでいるので、観察する機会には困らないだろう。実験授業や理科教室も、各地で開催されている。

それでも、もし実験の経験が不足していると感じたら、担当の家庭教師に、おすすめの理科の実験教材を紹介してもらってもいいだろう。授業を提供して終わりではなく、子どもの学習状況に合わせて、学習全体を支援できる点に、家庭教師の強みがある。

 

[計算の工夫]

計算力には、いくつか確認しておきたい点がある。

まずは、試験時間40分の間、細かな数字を扱い続けても、息切れしないだけの持久力が求められる。設問数が多いので、単純に手をすばやく動かしていかなければならない。一問一問を解く速度を上げながら、試験の後半になっても速度が落ちないことが求められる。

また、細かい小数点以下の計算になった場合でも、計算の精度が落ちないかも気になる。この点は、小学校5年生の段階から、計算練習を積んでおけば、準備がしやすい。

最後に、試験時間内に、迅速に見直しができるように、式を整理して書き残しておく習慣が欲しい。もし、間違った解答を見つけても、あらたまって計算式を書き直している時間は、本番にはないはずだ。

志望者に求められる計算力としては、本校において、【大問3】の(5)の計算問題が、基準になるだろう。過去問の演習において、時間が足りなくなってしまったり、計算式が立てられても、計算結果を間違えてしまった場合は、計算力を改善しておきたい。

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2017年度「早稲田大学高等学院中学部の理科」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

試験時間は40分で、得点は80点満点だ。                              大問数は4問で、分野ごとに一応は整理されているが、単元にはばらつきがあり、幅広い知識を確認しようとする。                                                設問数は45問で、多い。一問一問をすばやく解いていく、手作業の早い受験者が有利になる試験構成だ。

【大問1】生物(生態系)

  • 難度:標準
  • 時間配分:8分

単元:動植物、生態系

内容:日本の動植物の多様性を題材にして、生物分野のさまざまな単元を問おうとしている。        幅広い知識を、抜けがなく身につけておく必要がある。本校の出題傾向がよくわかる内容だ。

形式:典型的な一問一答形式だが、資料を読む速度を上げておけば、有利になる。            (8)生物多様性を題材にした設問は、近年は頻出している。                      ちなみに、昨年度は日本における絶滅動物の知識が求められた。今後も、日本の固有種や外来種な度から出題されると予想される。教科書の知識に終わらずに、図鑑や資料集などで、知識の幅を広げておきたい。

<時間配分目安:8分>

【大問2】物理(音)

  • 難度:標準
  • 時間配分:10分

単元:振り子、音

内容:振り子と音の実験を題材に、共通点として、振動という現象を、科学的に理解できているかが問われている。日常生活や実験を通じて、理科の科学法則を理解しておきたい。

形式:一問一答形式だ。細かな計算処理が続くので、時間を稼ぐつもりで、すばやく解答していきたい。
(5)受験者の計算力の目安となる設問だ。正答できるように、演習で訓練しておこう。

<時間配分目安:10分>

【大問3】化学(物質の変化)

  • 難度:やや難
  • 時間配分:12分
  • ★必答問題

単元:水溶液、気体の性質

内容:化学分野から、水溶液と気体の性質を、正しく理解できているかが問われている。問われている内容は難しくはないが、細かなところまでしっかりと覚えておく必要はある。

形式:一問一答形式に加えて、計算問題が含まれている。

(5)受験者の計算力の目安となる設問だ。正答できるように、演習で訓練しておこう。

<時間配分目安:12分>

【大問4】地学(地震 天体)

  • 難度:
  • 時間配分:10分

単元:地震、天体

内容:地学分野から、地震と天体を分けて扱っている。実験方法が、どのような科学法則を用いているのか、理解できるかが問われている。

形式:一問一答形式に加えて、短い記述形式が含まれている。
(1)面白い記述の設問で、地震が実際にどのように測定されているかを説明し、受験者が理解できるかが試されている。
地震は、上下だけに動く力ではなく、前後左右上下に動く力だと、しっかりと理解できているかが問われている。

<時間配分目安:10分>

攻略のポイント

難問と呼ばれる設問は見当たらず、いずれも標準的な解法を用いれば、正答できる。きちんとした学習習慣があれば、答案を埋めること自体はやさしい。

合否を決めるのは、解答の速度と精度になり、着実に作業ができる受験者が有利になる。また、理科の得意と不得によって、差がつきにくい試験でもあるので、受験者との相性も考慮したい。

対策としては、難問の演習量を増やしても、あまり効果がないだろう。むしろ、過去問の演習量を増やして、答案の作成に慣れておきたい。難問が解けるようになるよりは、答案全体の正答率を上げていく方針をおすすめする。

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