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早稲田大学高等学院中学部 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2014年度「早稲田大学高等学院中学部の算数」
攻略のための学習方法

[難易度の変化]
高校入試において、かつてより難関校として名を馳せていた早稲田大学高等学院。その中等部として、大きな期待を持って開校したのが2010年。
以来、高い倍率と入試問題の質で受験生に「狭き門」「高い壁」を抱かせてきた同校だが、今年の問題を見る限りいささか風向きが変わってきたようだ。
問題の劇的変化がこのあと同校の受験シーンにどういう変化をもたらすかはまだ不透明である。しかし、入試日が迫ってくる以上対策を始めなければならない。
まず、テスト自体は量より質の学校であること。これを頭に置きたい。
要求されることは、早く問題を解くような機械的な作業というよりは、条件の複雑な問題に対応できるような柔軟な頭である。
平易になったと思われる今年の問題においてもその片鱗は見られる。
しかし、傾向が確立するほどの時間が経っていないとは言え、難易度のあまりの変化には正直驚かざるを得ない。せめて合格点(合格最低点)の発表があれば「程度」を確かめることは出来るのだが…受験生たちはどの水準に合わせて勉強を続けていけばよいか、まさに頭を悩ませることになるだろう。
今後の入試情報には十分注意したい。
 
[基本は計算力]
学院の問題ではじめに目に飛び込んでくるのは計算問題である。
塾や家庭教師での勉強が説明を要する問題中心となり、学校の勉強は役に立たない水準なので、受験生たちはその問題適応力(応用力)に比べると計算力が貧弱であることが少なくない。模擬試験でも覚えがあるだろう。後ろの方の問題は正解なのに、はじめの計算問題でミスをしてしまい点数がまとまらなかったことが…
このような場合、先生や保護者は「計算問題で間違えるな」「計算でミスするな」と注意はするものの、「算数の力がないわけではないから…」と浅く反省するだけで次の「文章題」に進んでしまったりする。
もし学院の過去問において計算問題の失点があったようなら、改めて計算についてチェックをしてみる必要がある。間違えるからには必ず理由があるはず。
1つは、分数や小数が混合されている場合、「小数→分数」や「分数→小数」の変換がおぼつかない可能性がある。またはその方法に無駄がある。
もう1つは、特殊な計算問題における、解くためのテクニック不足である。
割合や速さ同様に、計算問題もしっかりチェックしておかないと「ほっといても、いつか出来るようになるだろう」というものでもない。いい機会だと思ってしっかり点検しておこう。
次に頻出分野の「平面図形」や「割合と比」・「文章題」などであるが、こちらは学院ならではの問題の出され方に注意したい。普通の場合、過去問をたくさん解けば慣れが生じてくるのだがご存じの通り、過去問は少ない上にレベルが一定ではない。学院も含め同じ系統の早実や、併願校となるだろう立教新座、(併願校にはならないかもしれないが)暁星・海城など少し手強い問題を出す学校の過去問にあたっておくとよいだろう。
 
[基本マスター]
これから算数の基礎を固めていこうとする生徒は、過去問対策は秋になってからでも十分間に合う。
まずは、早い時期に解き方のベースとなるテキスト(「四科のまとめ」「ベーシック」など)に出題されている例題・典型的問題の解法に用いられる公式や解き方はすべてマスターしてしまおう。学院レベルになると、誰でも解ける問題は本当に誰でも解いてしまう。ここで差をつけられるのは致命傷となる。
学院の問題レベルが下がったというのは算数があまり得意ではない生徒にとっては福音である。
難しい問題に対応する力をつけるよりは、標準的な問題を効率よく正解する方がまだ簡単だからだ。本年度より前の問題を見てみるとどうにも手がつれられない問題がいくつも存在する。そういった問題が解ける力というのは必ずしも努力によって身につくものでもない。やはり、得手不得手の領域に達しているレベルである。だから、多少言い回しにクセがあっても、そこを乗り切りさえすれば解きほぐしていける問題に変わったのは合格への可能性を高めてくれる、大切なポイントになる。ただ、合格点が上昇するのは間違いないので難易度が低くなると言うものではない。

[まとめ]
以上のことから、合格するための学習法をまとめると
・「計算問題」を軽視せずに、日々の問題演習の中に取り入れ、早く確実に解けるよう仕上げていくこと。少なくとも「計算問題は得意である」という言い切れるくらいになりたい。
・平面図形はじめ、頻出の単元に関しては、標準的な典型題はもちろんのこと、少しクセのある学校の過去問も含めて十分に問題演習を積むこと。
・高いレベルでの競争になるので、簡単な問題が解けるようになったくらいで慢心せずに引き続き難問に挑戦する精神をもって多くの問題にあたること。
早大学院の算数がいつまた水準を復活させるかどうかは分らないが、少なくとも本年度レベルであれば標準的な学力でも十分に対応できる。あとはその精度を上げるだけだ。最後まで悔いのない勉強を続けよう。

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2014年度「早稲田大学高等学院中学部の算数」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

50分で大問が4、小問が21。本年度に関していえば時間的にかなり余裕は持てたと考えられる。
素直な設問をそつなくこなし、考えさせられる設問に時間を十分かけられれば高得点が期待できる内容だったと思える。
しかし、前年度までとあまりに違う難易度に、かえって疑心暗鬼に陥り、考えすぎて間違えるなどという、泣くに泣けない事態もあったかもしれない。
こういうときは、計算などケアレスミスでの失点はかなり重くのしかかってくるので注意したい。

[大問Ⅰ]計算問題・平面図形

  • 時間配分:10分

(1)は、受験生であれば誰でもやったことがあるであろう分数を工夫して解く問題。①・②が③のヒントになっている親切な作りであるから、まず大方の生徒は間違えぜ解答したであろう。
(2)は、この学校の特徴である「□が2つあって同じ数が入る」というもの。もちろんまわりの計算にも工夫が必要だ。式の長さに惑わされず、何度も式の書き換えを行って丹念にまとめていくという作業は意外とできないもの。問題集などで同程度の問題にいくつかあたっておくとよい。特に□を1つにまとめる作業にはプロの指導が必要かもしれない。
(3)は、基本レベルの「平面図形と比」の問題。平行四辺形の各辺を数値に置き換えて解けば難なく解けたものと思う。外にはみ出した部分(三角形BHF)を内部の三角形AEFに移動できればなお簡単に。
ここまでは早大学院らしいところは何もない。全部解いて正解したい。

[大問Ⅱ]比の文章題(仕事算)

  • 時間配分:8分

(1)の設問を見たとき、「ハア~?」と目を疑った受験生も多かろう。
「オレはこんな問題に答えるために昼夜を問わず勉強してきたわけではない!」と憤る者、「本当にここは学院なのだろうか?」と訝しく思う者、さまざまだろう。
直接設問(2)を出してくればいいのではないか、と説明しながらも思う次第…。
そこで(2)が解けたかどうかが合格への鍵を握ることになる((1)は全員出来る)。
仕事算に整数の問題をからませた面白いもので、解くものは3つあるが1つ求まれば一蓮托生で解答欄は埋まっていく。
この(2)で、はじめて点数差がつくことになる。

[大問Ⅲ] 平面図形(多角形の内角の和)

  • 時間配分:8分

この問題を目にしたとき、「ついに来た!」と身構えた受験生は多かろう。早稲田らしい、調べ抜く問題!ここまでは序の口というか前相撲レベルであって、ここからが本番のテストなのだと。
ところが全然来ないのである。
設定は面白く、開成や麻布の問題を思わせる展開に期待するのだが、最後まで七角形のままだ。
(1)の設問を読んで【大問Ⅱ】(1)同様「なんなのだ!」と、怒髪天を衝く形相になった生徒もいるのではないか。
「オレはこんな問題に(略)!」。
テスト中、むやみに立ち上がると退室になるから冷静になった方がよい、とアドバイスしておく。しかしここまできて(1)の設問はないだろう、とは思う。
(2)はやや複雑ながらテキストに見覚えがある問題。二月一日に上石神井駅で降りている生徒ならばまあ解けるはずだ(解けない者は急いで解き方をマスターせよ)。
(3)は意表を突く設問で、完全に正解できた者は少ないかもしれない。考えすぎ・何も考えないで答える、と分かれそう。
(4)も…(2)あたりから何も進展がない…せめて□☆□(□は8未満の整数)において、180度になる組み合わせをすべて求めよ、とか攻めて欲しい。
【大問Ⅲ】恐れるに足らず。ここも全部あてていきたい!

[大問Ⅳ]文章題(平均算)

  • 時間配分:10分

最後の平均算。与えられた長い表と設問の多さから早実の問題を髣髴させるのだが、今回は最後まではぐらかされ、難しめの設問もあるが全体としては平易というしかない。
(1)の前半3問は、間違えるわけにはいかない。というか、間違えようがない。時間不足も考えられない。②など、何度も確かめてしまったではないか。④への布石にはなっているのだが、さすがにそれには気づかないだろう。
この問題で、平均の問題に中央値(メディアン)という概念を持ちだしてきたのは新しい。今後使われる可能性がある。
(2)も平易。(3)では、ようやく思考する設問に出会うが、時間も十分にあるし、じっくり解いて正解することも出来よう。

攻略のポイント

テスト時間は50分で100点満点。
早大学院の中等部は設立からまだ日が浅く、テストの水準に関しては試行錯誤の段階かもしれないが、さすがに難易の幅が広すぎる。(個人的な見解ではあるが)併願校というよりは第一志望にしている生徒が多い以上、もう少しターゲットを絞りやすくしてあげるべきだろう。または、合格点をちゃんと発表して欲しい。受験生から敬遠されているとすれば、問題の難度よりも、合格基準の曖昧さにあると思うのだが。

さて、来年以降も平成26年度水準で推移するとすれば、難易度の高い問題にはあまり手を出さずに、標準的な問題を数多くこなしていけばよいことになる。むしろ併願校として考えられる「立教新座」や「明大明治」の方が算数で手を焼きそうだ。
まず養うべきは「計算力」。意外と軽視してはいないだろうか。計算問題が一番難しいという稀有な学校になるかもしれないので、ねばり強くあきずに計算問題にあたっていけるようにしよう。
それから、いくら平易になったといっても、標準的な問題の解き方はすべて身につけておきたい。今回でいえば【大問Ⅰ】の(3)や【大問Ⅲ】の解き方、【大問Ⅳ】前半の設問などで戸惑っているようでは合格は厳しい。

あとは、多少問題の難度が上方にぶれても対応できるように早大学院の「過去問」にもしっかりと触れておこう。
「備えあれば憂いなし」対策はしすぎてしすぎることはない。他科目との兼ね合いも考えながら、算数の力をつけていこう。

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