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早稲田大学高等学院中学部 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2014年度「早稲田大学高等学院中学部の社会」
攻略のための学習方法

[形式・分野]
大問数6、小問数50前後というのが、早大高等学院中のほぼ決まった問題構成となっている。
大問の内、3~4問は500~1000字ほどのリード文を読んでから答える設問で、残りは1問1答や長文記述などが割り当てられる。用語記入と記号選択では用語記入の方が多い傾向。年度によって異なるが、1行記述や50~100字ほどの記述問題が2~4問出されるのも通例である。
分野別では地理・歴史にウェイトが置かれ、政治経済分野はやや少なめの出題となっているが、他の分野に紛れて出題されたりするので、この分野も手を抜いてはいけない。
基本事項を問う問題も多いが、小学校の社会では覚えない事柄や、なかにはテキストや資料集などに載っていないデータを考えさせる、いわば「社会科的センス」を問われるような難しい問題も見られる。
問題数も多く、文章量もあるので、迷うことなくてきぱき答えていかないと時間が足りなくなる。内容も濃くスピードも必要なヘビーな試験となっており、高い実力が要求される。

[地理分野]
国土と自然、各地域の農林水産などの産業、人口統計を用いた問題などが過去よく出題されている。
また、地域区分の問題が頻出となっているのが大きな特徴である。
「○○が××である都道府県」等を、区分けされた地図から選ぶのだが、例えば平成25年には「オーストラリアからの観光客が北陸地方や日本海側に多い」という統計をもとに問題が作られている。日本と季節が逆であること、雪が多い地域であることなどの理由に思い至らないと、確信を持って正解を選べない。
その県や地域について、断片的でなく総合的に正確にイメージできるくらい、よく理解していないといけないのである。
各地の地形と気候、それに基づく産業の特色など、地図や白地図、統計資料などで体系的に整理して覚えるようにしたい。

[歴史分野]
各時代からまんべんなく出題され、大きな偏りは無い。
人物・位置・できごとについてまずは基本事項を押さえる。
そして年表などで、「誰が」「どこで」「何をして」「その結果どうなる」というようなつながりをまとめるようにすれば、より実践的な知識が手に入る。
史料をもとに考えるような設問も見られるので、資料集の図版などは見慣れておくようにする。

[政治分野]
他の分野と比べると出題量が少ないが、日本国憲法や三権の仕組みと働きなどの基本駅事項を中心として、国際連合や日本と関連の深い国々についても目を通しておかねばならない。
時事問題もニュースで話題になったことなど、注意して見ておく。

[記述問題]
記述問題は、用語や出来事を説明するものから、統計史料の数値を比べてその意味を問うもの、ある歴史の史料から当時の人々の考えを推測するものなど、いろいろなパターンで出題されている。
地理分野の記号選択問題や時事問題にも言えることだが、本校の問題には、与えられたデータの意味を読み取ってそこから考えられる理由や結果を問う、といった少し難度の高いものが見られる。
また、知識があるのは当然として、その自分の持っている知識を利用して、普段はあまり見慣れない資料の意味を考えなければならないといった問題もある。
まずは、各分野の基本的・重要な事項の問題を落とすわけにはいかないので、ミスしないようにしっかり定着させておく。
その上で、それらの知識を活用して、ニュースや新聞で見たさまざまな出来事の背景や他への影響などを考えてみる。
「自分は中学生である」くらいの意識で社会的な出来事への関心を持っていないと、高得点は望めないテストであろう。
ただし、極端な難問・奇問ではないので、あくまで正確なまとまった知識を身につけて少し深く考える習慣をつける、このような訓練を積み重ねて欲しいということである。

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2014年度「早稲田大学高等学院中学部の社会」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

テスト時間40分、大問6つに総解答数50問と、例年と同じスタイルである。
今年度は、1~2行の記述問題が計5問出されており、長めのリード文も3問あるため、時間に余裕はない。
記述に各2分で計10分、その他45問に計30分を割り振るとして、文章を読む時間も必要と考えると、立ち止まって熟考する暇は無さそうである。

[大問Ⅰ]地理分野

  • 時間配分:4分

ジオパークを話題とした地理の問題。
地図で示された各地点の総合的な知識が無いと選択に迷ってしまう。
問3のように、用語は漢字指定される。

[大問Ⅱ]地理分野

  • 時間配分:11分

 野菜の産地を話題にした地理の問題。
統計やグラフをもとに、水産業や気候についても訊かれている。
地理に関しての基本的なデータを覚えていればそれほど難しくはない。
資料集で常に最新のデータを見ておきたい。
問8の記述問題は統計の数字からわかることをそのまま答えればよいので、ぜひ得点しておきたい。

[大問Ⅲ] 歴史分野

  • 時間配分:7分

武士政権をテーマにした歴史問題。
いずれの問題も難問ではないので、テキストや問題集でしっかり覚えていれば答えられる。
問10の記述問題も、天皇が変われば元号も変わるということを知らない受験生がはたしているのだろうか。
ただ、20字でまとめるのは、うまく言葉を選ぶ必要があるかもしれない。

[大問Ⅳ]政治分野

  • 時間配分:7分

選挙権に関する政治分野の問題。
ここも、基本的な知識で答えられる問題が多いが、問7の記述は少し難しかったかも知れない。
1票の格差はよく問題になるが、格差が生じた理由まではあまり訊かれないだろう。「人口に着目して」というヒントは与えられている。

[大問Ⅴ]記述問題

  • 時間配分:7分

フードマイレージについて。3問とも記述問題となっている。
資料集や時事問題集で特集が組まれたりして読んだことがあるはずである。
漫然と読まずに、そのような計算をしなければならない社会の現状も考えておけば、理解しやすいであろう。

【大問Ⅵ】時事問題

  • 時間配分:4分

世界の出来事と司法についての1問1答形式。
この形式の設問が少し出される。最新の時事問題にはやはり注目しておきたい。

攻略のポイント

【大問Ⅴ】の記述3問に少し手間がかかり、ここで時間をかけすぎると他の問題にしわ寄せがいく恐れがあるか。
それ以外の問題は例年と比べて少し簡単だったかもしれない。基本的な知識を問う問題が多かった。
良く出される地域区分の問題が無く、自分で答えを推測するような記述問題も、あまり難しくはなかった。
ともあれ、準備は例年通りにしておくべきだろう。

基本問題は落とせないので、しっかり覚え、漢字で書けるようにしておく。
地図・白地図・資料集を活用し、知識を統合し理解を深める。
社会で起こる出来事に関心を持ち、自分の知識を使ってよく考えてみる。
記述問題は典型的な問題もあるので、『記述対策問題集』なども良い練習になるはずである。

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