逗子開成中学校 入試対策
2024年度「逗子開成中学校の国語」
攻略のための学習方法
問題構成
大問は3つ。ここ数年は漢字や言葉の知識・論説文の読解・随筆文の読解がそれぞれ割り当てられている。
素材文は2題で計5500~6000字と適度な文量である。総解答数は45問前後。選択肢・書き抜き・記述がバランスよく出題されている。
記述問題は30~70字ほど、あるいは字数指定無しで出されている。文中の適切な部分を用いてまとめられる場合が多い。
漢字・言葉の知識
漢字の読み書きで15問、その他、ことわざ・慣用句、品詞や文学史などが出されている。覚えていれば得点できる部分なので、ひととおりは頭に入れておこう。
論説文の読解
例年、3000字前後の文章が使われている。人文科学・社会科学などの分野が多い。
要点・要旨を穴埋め・書き抜きなどで訊く問題が多く出されている。記述問題は文中の重要点をまとめることで答えられる場合が多い。本文を読みながら要点等をマークして、効率よく答えを探せるように工夫しよう。
説明的文章の読解の技術を高めておこう。
・段落の整理
形式段落→意味段落へのまとめ。意味段落の内容を短くタイトルにしてつけてしまえば、段落のつながりや論理の流れがわかりやすくなる。
・要点
各段落の最初と最後に特に注意しながら、要点をチェック。自分のやりやすい方法で良いので、傍線を引くなどしてすぐ探せるようにしておくことはやはり有効である。別の言葉で言い換えた部分と線で結んでおくなどするのも良い。
・要旨
要点をまとめれば全体の要約ができる。その中で筆者の最も言いたいことが要旨である。特に記述問題は要点・要旨から字数に合わせて抽出し、まとめて答えとなる場合が多い。説明的文章の読解は結局は要旨の把握が求められている。
文学的文章の読解
ここ数年は随筆文の出題が目立つ。外国を旅した際の異文化との交流で感じたことがテーマになっている文章が多い。文章を読んだ感想や解釈を述べた文を設問で示し、内容についての理解を確認する問題がよく出されている。
記述問題は筆者の心情・意見を問うものが多く、必ずしも文中にはっきり示されていない場合もあるので、読解力が求められる。
文学的文章、特に随筆文の読解のコツをつかんでおこう。
・人物の整理
人数・名前・それぞれの関係などを確認する。だいたいの性格も見ておこう。性格が違えばその言動の意味するところも違ってくる。
・場面の変化
時間・場所・人物の入出などで場面の変わり目を見つける。場面の変わり目を訊かれる問題もある。
・心情の把握
人物の言動などから、気持ち・考えを読み取る。最も問題にされる部分である。多くの文章を読んで様々な人間の考えに触れておくことがなによりの経験になる。
・主題の理解
作者が伝えたかったことは何か。異国での経験・文化の違い・考え方の違いなど、よく取り上げられるテーマがある。読書を通じて筆者それぞれの物事の捉え方の違いや多くのテーマを見ておくことで、テーマをとらえる力もより付くことだろう。
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2024年度「逗子開成中学校の国語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
総解答数は36問、そのうち20問は漢字と言葉の知識である。素材文は5600字ほどと、例年通りだった。文学的文章では2022年度・2024年度は小説、2023年度は随筆文の読解が出題された。
記述問題は30~50字ほどで4問の出題。冒頭の知識問題を素早く終えて、その分を読解・記述に残せるようにペース配分しよう。
【大問一】漢字の読み書き・ことわざ
- 難度:標準
- 時間配分:10分
- ★必答問題
問一 ① 気配 ② 深刻 ③ 圧倒(的) ④ 団結 ⑤ 警戒
⑥ 服従 ⑦ 微妙 ⑧ 独特 ⑨ 株 ⑩ 責(める)
⑪ ちゅうかい ⑫ せいぎょ ⑬ なご(やかな) ⑭ おか(し)
⑮ いきどお(り)
問二 ① 高嶺の花
② 寝耳に水
③ 笛吹けど踊らず
④ 取らぬ狸の皮算用
⑤ 無用の長物
【大問二】論説文の読解
- 難度:標準
- 時間配分:20分
インドの伝統的文化が残る町が近代的な西洋文化の流入で変節してゆく様子と、筆者の考えが述べられている。
問一 a・b・dには「しかし」が合う。cだけ「そして」が当てはまる。
問二 近代西洋文化が良しとする「開発」が、果たしてラダックの人たちにとって本当に良かったのかという「皮肉」が込められている。
問三 「開発は不満と貪欲さを刺激し」、人々の間に金儲けに熱中するようになるという「新しい欲求がつくられた」のである。
問四 「ラダックの人々は伝統的に、身近で得られる資源を知恵と技術によって利用し、快適で安全な生活を実現していた」。しかし、近代西洋文明による開発で、「ラダック文化の構造的な解体」「経済への依存」「環境の劣化」などが生じ、「生活を悪くしたことのほうが多いように」筆者には思えたのである。
問五 ア. ラダックのような伝統的な文化の中で暮らすより、西洋的な近代的な生活をする方が素晴らしいと西洋人は信じて疑わず、検証が必要だとは考えもしないのである。
問六 ア. 「もともと体制の不平等性への不満と旧文化に対する疑念が心の底に根付いており」は内容と合わない。
イ. 伝統的なやり方は開発で失われてしまったので「伝統液な生活技術を維持したうえで」は合わない。
エ. 「開発」は「技術進歩と経済成長を通じて生活水準を引き上げることになった」とあるので、合わない。
問七 「開発の全体の過程を観察できる、またとない場である」という発言や、副題の「ラダックから学ぶ」などから考えて、選択肢アが合う。
【大問三】小説の読解
- 難度:やや難
- 時間配分:20分
- ★必答問題
関ケ原の合戦で敗れて、かつて手助けした村に逃げ落ちた石田三成は、大百姓の与次郎大夫の世話を受け、恩義に報いようとする。
問一 a. 危険を冒して光成の世話をし、罰も自分で引き受けるという自己犠牲は「けなげ」である。
b. 村の恩人である光成に謝罪のことばをかけられて「もったいない」。
問二 来世への報いを恐れてしかたなく怪我が治るまで世話をしようと思ったところに、与次郎大夫の申し出があり、かくまう罪からも逃れられるのでホッとしている。
問三 前の段落に、「人は利のみで動き、利がより多い場合は、豊臣家の恩義を古わらじのように捨てた」とある。豊臣家にゆかりのある者のそのような姿をみて、人の忠義を信じた自分の虚しさを感じたのであろう。
問四 「無いものねだり」は「無いものを無理に欲しがること」という意味である。孟子は無いと知りつつも信念を諦めきれず、説いて歩いたのであろうから、選択肢エが選べる。
問五 自分が関ヶ原の勝者だったらという想像の中で、やはり権力という利を追い求めてしまうかもしれないと、義を信じてきた自分に自信を無くしている。
問六 「それ」は自分が属している権力社会を、「おまえ」は与次郎大夫のことを指している。恩義よりも利を優先する武家社会と比べ、与次郎大夫は自分と一家の命を懸けてかつて村が受けた恩のために光成をかくまい世話をしている。その義理堅い健気な心に感動しているのである。
問七 豊臣家への恩返しで戦った光成であれば、与次郎大夫から受けた恩に報いないわけにはいかないと考えるのは当然であろう。自分が助かるために与次郎大夫の一族が犠牲になることなど光成の義の心が許さないのである。
攻略のポイント
素材文がそれほど長くないのはありがたい点である。知識問題と読解問題のペース配分など、過去問で慣れておきたい。
試験冒頭の漢字とことばの知識は問題数も多く配点も大きいので、しっかり得点しないと損である。難問ではないので、標準的な教材をしっかりこなせば対応できるだろう。
記述問題は文中の手掛かりをもとにまとめられる問題が多いので、読解力をつけて字数に収める練習をしておこう。書き抜き問題も多いので、文中の手掛かりをすぐ探せる工夫もしておこう。
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