逗子開成中学校 入試対策
2018年度「逗子開成中学校の理科」
攻略のための学習方法
[出題分析]
理科としては40分という長めのテスト時間、その中で大問4つをしっかりとこなす逗子開成の理科は、少し重厚なイメージだ。
設問数は格別に多いわけではない(30数問)が、問題文が全体に長めで大問の途中にもはじめの条件を変えて設問が新たに作成される箇所があるなど予想しているよりも時間はかかる。その意味では速読即解型の学校のように設問をテキパキとこなしていく必要がある。
また、今までも大幅なシェアを確保していた計算問題が本年度になり一層のバージョンアップを果たしている。典型的な計算問題だけを手がけていれば及第点がとれたこれまでに比べると生徒の負担は増えたと言える。
前半の知識問題と後半の計算問題、大雑把にテストの輪郭を表すとそんな感じである。
[基本的な知識定着は最低限の所為]
このように計算問題に多くの負担がかかる学校であるだけに知識問題での得点は欠かせない。
ここでは、受験生の最低限の努力が要求されている。暗記なんかいつでも出来る、と高をくくってしまい結局それが当日の得点不足につながる生徒は決して少なくない。それは「頭の良い」=「考える力」とは違うかもしれないが、星の名前をたくさん知らないと星座が作れないように知識もまた考察・思考の良い手かがりになることは間違いないので地道な努力を怠らず最後まで知識は蓄積していこう。
[計算問題対策]
元来計算が必要な設問が多い学校であるので対策を進めていく上で計算問題には抵抗なく取り組んできたと思われるが、本年度の【大問3】【大問4】に見られる設問はやはり今までの問題とは一線を画している。
昨年度、2017年度においては、【大問1】から【大問4】まですべての大問の中で計算は要求されてきた。2017年度【大問1】の(7)や【大問2】の(5)(6)、【大問3】の(7)などはユニークな設問であり、ほとんどはじめて触れる計算問題に頭を悩ませたこともあっただろう。ただ、設問はユニークであってもそのレベルは標準的であり、過去問を積み上げることで問題に対する耐性をつけておけば合格圏までの正答率は獲得できたことと思う。
それに対して本年度の計算問題は問題自体の水準が上がっており、端的に言えば難度の高い計算問題への対応力が必要となる。
それを踏まえての対策としては、過去問だけでなく、計算問題を集めた問題集を副教材として準備し適時計算問題にあたることだ。難問印の問題にも果敢に挑戦してみよう。
来年度もまた本年度並みの水準を維持してくるかは不明ではあるものの往年の問題に対しても十分に対応できる力がつくものと思う。備えあれば憂いなし、である。
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2018年度「逗子開成中学校の理科」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
40分で大問は4、小問は34と分量的には多くは見えないものの、半数が実験結果を読み取りながらの計算を要する設問なので時間をうまく使わないと40分といえども余裕は持てない。
特に本年度の問題は例年に比べて難易度が上がっているため合格点はさがったものの理科の力は今まで以上に必要になっているので合格へのハードルはむしろ上がった言える。
【大問1】生物分野…アリ(昆虫)の生態
- 難度:標準
- 時間配分:6分
- ★必答問題
アリに関する親切なリード文があってそれを読みながらテストが始まる。
(1)から(5)まではアリや昆虫に関する知識を単純に問う設問になっている。このテストの中では最もやさしいところなのでぜひ正解しておきたい。
(6)~(8)は「アリはにおいをたよりにエサを探すことが知られています」と書いてあるのをたよりにしっかりと書き分けてもらいたい。
ここはできれば全問正解しておきたいところだ。
<時間配分目安:6分>
【大問2】地学分野…地層
- 難度:標準
- 時間配分:8分
- ★必答問題
崖に見られる地層とその観察結果をしっかりと読み取ってから設問に入ろう。
(1)~(3)は化石と岩石に関しての知識問題で、図2の大きな結晶を見て「深成岩」の一つであるとわからないようでは困る。ただし(2)で「化石」は「生物の死がい」だけではなく、生活のあとなども「化石」となるのでひっかかりそうだ。
(4)は図3のグラフを読んでの計算問題で、①は単位を誤ってケタの間違いをしないように、②はグラフをしっかり読み取るという注意力が必要だ。決して難しい問題ではないだけに安易に扱って失点すると合格点から遠のいてしまう可能性がある。
③は簡単な説明と言っても「地上に出ていた」くらいでは減点の対象になりそうなので、「隆起して地上に出ていたのでたい積がなかった」程度の文は書けておきたい。
<時間配分目安:8分>
【大問3】化学分野…気体の発生
- 難度:やや難
- 時間配分:10分
ここからが後半戦。計算力で雌雄が決する大切な大問が2つ続く。
〔実験1〕は「酸素の発生」、〔実験2〕は「水素の発生」に関するもので何回も解いたことがある問題だろうから、できればねばり強く(3)以降の計算問題でも得点してもらいたい。
(1)(2)はあいさつのようなもの。軽く会釈しておけば良い。
(3)はメスシリンダーの目盛りをしっかり読み取ってから表1を使って数値を求める。正比例の関係を使えばあっさりとは求まる。むしろメスシリンダーの読み方にミスが出そうだ。
(4)〔実験2〕の表において、塩酸50cm3と固体Bが「過不足なく反応する」箇所は出ていないので表の数値を目印に固体Bが「0.54g」のときに「過不足なく反応する」ことをつきとめたい。それがわかれば(4)も解答できる。
(5)は単純な比例の関係で数値(体積)は求まるものの答えは重さで答えるので注意が必要だ。
(6)と(7)①は階段の踊り場的問題で簡単に答えられるだろう。
(7)②では、言葉は出てこいなものの「還元」の実験について問われている。「物質が酸素と結びついてできたものを酸化物といい」と冒頭にあるが逆に「酸化物から酸素を切り離す」のが還元で、テキストや問題集によっては解いたことがあるかもしれないがこの設問が本年度では最難度のものになっている。
金属Yの酸化物(16g)+水素(?)→金属Y+水(5.4g)より、
水5.4gは「水素:酸素=1:8」で結びついていることからこの中の水素は0.6gとわかる。式の水素の重さが(0.6g)とわかると、16+0.6-5.4=11.2(g)…金属Yが求まる。
16-11.2=4.8(g)…酸素の重さ
から
11.2:4.8=7:3と答えが出る。
正解した生徒は手放しで喜びたい。
<時間配分目安:10分>
【大問4】物理分野…ものの運動
- 難度:やや難
- 時間配分:10分
「ものの運動」に関して、ここでは知識よりも測定結果の数値からきまりなどを読み取る力が試されている。
(1)は知識と言えば知識だがヒントが多すぎて間違えようがない。
(2)はひっかかりやすいので注意が必要だ。聞かれているのは「おもりBが運動を始めてからおもりAと衝突する
までの時間」であって、「おもりAの速さ」ではないので、糸の長さを変えない以上「衝突するまでの時間」は変わらない。いわゆる「ふりこの等時性」というやつで、これは必要な知識には違いない。
(3)は数値を求めるのに使えるところをうまく見つけよう。
(4)では三角形の相似を思わせる設問になっていて、「糸の長さ」と「手を放す高さ」の比を求めていき、比の値が同じになるものを調べていけば良い。
(5)~(7)はどれもグラフを記号で選ぶものだが問題文をよく読まないとミスを連発する可能性がある。
(8)はおもりの重さを考えれば良い。
【大問3】ほどではないにせよ解きがいのある問題だった。
<時間配分目安:10分>
攻略のポイント
テスト時間は40分で100点満点。
受験者平均点は「58.2点」、合格者平均点は「67.0点」でここ数年の第1次テストではもっとも低くなっている。極端に10点近くも下がっているのは問題の質自体に変化が見られると言って良く、今後もこの難易度で推移するとなると以前のような基本問題に対応するという勉強法では少しおぼつかなくなる。
基本的な知識を身につけるのはもちろんのことだがそれだけでは不十分で、計算問題を集めた問題集などでこの手の問題に対する耐性をつけておきたい。基本から応用に踏み込んで勉強をすすめておこう。
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