逗子開成中学校 入試対策
2023年度「逗子開成中学校の理科」
攻略のための学習方法
(1)知識分野
本校の入試では、基礎知識からマニアックなものまで幅広い難度の知識問題が出題される。その為、まずは基礎知識を全分野しっかりと仕上げた上で、得意な単元・好きな単元については欲張って細かいものまで覚えてゆきたい。また基礎的な知識でも見慣れない設定の中で問われると迷いがちなものなので、表面的な暗記で済ませず、確実な理解を伴った強固な知識を一つ一つ積み上げる必要がある。その為には、一問一答集の完成だけで満足せず、詳しい解説を読み込んでほしい。YouTubeの解説動画なども分かりやすいものが多数あるので活用しよう。詳細まで覚えられなくともイメージが伴うと必ず役に立つ。過去のテキストや資料集などで様々な図表を目にしておくのも有効である。また塾のテキストにある知識分野の記述問題にも、持てる知識を活用して積極的に解答欄を埋めて経験値を高めたい。
(2)計算分野
本校の計算分野は、化学分野では比較的典型的な問題が多い一方で、物理分野ではより複雑な設定が多いのが特徴である。従って化学分野ではまずは標準的な典型問題をしっかりと仕上げ、物理分野では様々な見慣れない問題にも触れて経験値を高めたい。ただ、複雑な設定の物理実験であっても、土台となるのはやはり塾で習った標準的な内容なので、既知の内容を初見の問題に正確に運用して正解する力が最も重要となる。その為には、より多くの問題に触れることが有効なので、問題集も1冊に絞らず数冊を買い置きたい。典型問題は当然しっかりと仕上げつつもそこに終始せず、パラパラと問題集をめくって未知の問題を探してほしい。間違えた問題は時間をかけて解説を読み、理解してゆこう。ただ、消化不良になってまでこなしても成果は見込めないので、一つ一つスッキリ理解できるまで他の解説をネットで探したりしてみてほしい。また化学分野も今後難易度が上がることも十分あり得るので、計算分野全体の強化を目指してほしい。
(3)過去問演習
小問単位での時間配分にメリハリが必要な本校入試では、過去問も多めの年度を解いて慣れておきたい。記述問題も決して諦めず、仮説でも想像でも構わないので、とにかく解答欄を埋めきる習慣をつけよう。物理の計算分野の復習では、最後の小問まで出来る限り解説の理解に努め、実力向上を図りたいところだ。
また、他の難関男子校の過去問も、物理などは大問単位で見慣れぬ問題を求めてチャレンジしてみるのも良い対策となるだろう。
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2023年度「逗子開成中学校の理科」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
試験時間40分で大問は4つ、小問は25問と標準的な問題数で、時間の余裕がありそうに思えるが、同一大問内で条件が次々と変わったり、記述が多めで、時間のかかる小問も少なからずあり、ゆっくりはしていられない。即答できる問題も多いが、少し手こずりそうな勝負所の問題で慌てずじっくり取り組む必要があり、時間配分にメリハリが必要である。
【大問1】地学(地層)
- 難度:易〜難
- 時間配分:8分
- ★必答問題
※落とせない問題は問1①・2①
前半は標準的な知識問題、後半は地層の成り立ちへの考察力を問うハイレベルな問題となっている。
(1)は問題文に「地層の逆転は見られませんでした」とあるのを見落とさなければごく易しい。
(2)は地層の実地観察での出題だが、見慣れないテントのような絵に戸惑った受験生は多かったのではないか。だが、①は標準的な知識問題である。②は「不整合」の正確な理解を問うやや難しめの問題だが、ここまでは図がわかりにくいままでも影響は無い。③は東西南北の地層の形状を与えられた問題条件から導き出さなければならないが、見慣れない角度で考えねばならず、難問である。捨て問として構わないだろう。
【大問2】生物(二酸化炭素の循環)
- 難度:易〜やや難
- 時間配分:9分
- ★必答問題
※落とせない問題は問2・3
自然界全体での二酸化炭素の動きを考える問題で、各小問は標準的な知識問題が多い。
(1)は標準レベルだが、意外と正確に覚えている人は少ないかも知れない。
(2)の「光合成」は基本中の基本。
(3)は植物も含めて呼吸を選べばよく、これも易しい。
(4)は問題文に「すべて選び」とありながら正解は1つだけなので、戸惑った受験生も多いだろう。内容的に難しくはないので、本校入試にはこうしたフェイントが時々あると知っておこう。
(5)はよく読めば決して難しくはない。「すればするほど」などの表現はだいたいあやしいものだ。
(6)光合成の季節変化を答えさせる問題で、知っていれば易しいがあまり習わないので、その場で気がつけるかは「やや難」だろう。
【大問3】化学(溶解度)
- 難度:易〜やや難
- 時間配分:11分
- ★必答問題
※落とせない問題は問1・2・4①
化学の実験問題の諸分野の中で「溶解度」は易しめの単元と言える。他方、ちょっとした考え違いやミスが起きやすい単元でもあり、慎重に解いて正解したい小問が続いている。
(1)は問われ方が少し分かりにくいかも知れないが落ち着いて正解したい。
(2)は有名な基礎知識なので、記述で書くのは少し珍しいかも知れないが、まずは「易」レベル。
(3)も決して難しくない。正確に式を立てよう。
(4)は①が典型問題で数字が簡単すぎてかえって不安なほど。②は少し難度が上がるが、まだ標準問題だろう。
(5)はこうしたグラフを描かせる問題が珍しく、時間を気にしてとばした受験生もいただろう。飽和水溶液になるまでの途中も、省略して直線で結ぶと誤りで、一つ一つ計算してゆく処理能力が要る。「やや難」であり、時間配分上とばしても他で補えるかも知れない。
【大問4】物理(音)
- 難度:易〜やや難
- 時間配分:12分
- ★必答問題
※落とせない問題は問1・2・3・4・5
頻出ではない分野で、意外と苦手な人の多い「音」の問題である。算数の「速さ」の問題として解けば決して難しくないので、音の動きを擬人化して旅人算に持ち込みたい。問題の条件を表す図が次から次へと変わる点が少し厄介だ。
(1)はごく単純である。
(2)もまだ十分易しい。
(3)は条件に風速が加わり、受験生には未知の領域かも知れないが、ちゃんと説明がある上に要は算数の「流水算」と同じ仕組みなので、諦めずに見極めて正解したい。
(4)も前問同様に正解したい。
(5)も難易度は(3)(4)とほとんど変わらないので、新しい条件設定を落ち着いて読み解いて正解したい。
(6)は算数の「速さと比」の解き方まで盛り込まれており、理科としては珍しい。さすがに解けなくても問題ないかも知れないが、算数としてはそう難しいわけではないので、復習して納得しておきたい。
大問4は全体的によく取れた受験生と全体的に苦戦した受験生とで明暗が分かれた可能性が高い。
攻略のポイント
試験時間40分で、配点は4科目一律の100点満点である。
本年第一次入試は合格者平均が69.5点、受験者平均は61.6点であった。過去3年間で合格者平均が55.5点〜80.5点と変動が大きくふたを開けてみないとわからないので、入試当日は得点目標を無理に定めず、取れる問題は全て取るというシンプルな心構えで臨みたい。
各大問に基礎知識から難度の高い知識までが含まれており、まずは標準的な知識・計算問題を正解した上で、難度の高い残りの知識問題と化学計算問題、また全体的に難しめの物理問題でどこまで得点を伸ばせるかが合格への鍵となる。
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