中学受験をやめるべき? 志望校を変えるべき?
保護者様からのご相談
「本人が熱望している志望校と、現在の成績の差が激しい」
「もともと、○○中学校へ行かせたくて受験を決めたが、現実的には難しそう」
志望校は、受験当日まで、合格を目指して頑張る目標です。
安易に下げるとズルズル成績も落ちかねません。
親子で話し合って決め、ぶれずに突き進みましょう。
志望校の見直しは慌てず慎重に。
まずは、志望校についてもう一度親子で検討してみましょう。
なぜ、この学校なのか? 第一志望校に選んだのは、どんな良いところがあるからでしょうか。
目に見える形で、書き出してみましょう。同時に、第二,第三志望校についてもそれぞれ、良いところ、悪いところを書き出しましょう。視覚化し、客観的に再確認し、別の角度から考えてみることで、新たな発見があるかもしれません。そして、親の意見を押し付けるのではなく、お子さん本人の意思も尊重して、志望校を選び直してみてください。合格した学校に、六年間通うのは、お子さんです。
こうして親子で真剣に話し合い、お互いの考えを伝えあうことで、親子のつながりも深まり、志望校への思いも共感できることが、受験勉強のつらさを乗り越える力ともなります。
そして、親子で熟考して決めた志望校なら、たとえ偏差値が10~15足りなくても、ためらわずにゴーサインです。
模試の偏差値・合格判定が正しいとはかぎりません。
◆過去の教え子の中にも、たくさん受けた模試で一度も合格判定に届かなくても、見事合格を勝ち取ったお子さんは何人もいます。
◆模試の問題と、各学校の入試問題は違います。模試では、いい点が取れるのに、過去問は解けないお子さん、また反対に、志望校の過去問だけは点数の取れるお子さんもいます。
◆子供の偏差値は、その日の体調や気分、出題内容によって、5~10は平気で上下します。
以上、三つの点を踏まえ、一喜一憂することなく、模試の偏差値は、絶対ではなく、参考程度だと心得ましょう。大切なのは、点数ではなく、なぜ点数が悪かったのかを分析し、次回に向けて対策を練り、実行することです。私の教え子にも、よく言いますが、模試を受けただけでは、まだ半分です。テスト直しをすることで、結果を分析、反省し、次回に同じ間違いをしないようどうすべきかを考えてこそ価値ある模試の受け方です。
志望校の変更は、W出願を厭わなければ、受験ぎりぎりまでできます。極端な例ですが、試験当日の朝まで変更可能です。慌てて下げるには及びません。お子さんの受験に対するモチベーション維持のためにも、高い目標を掲げて頑張ってもらいましょう。
ただし、受験戦略は十分練って、併願校で、いざというときの対策はしっかり準備しておいてください。
よく言われますが、子供は本番当日の受験をしながらも、偏差値を伸ばしていきます。受験が終わった時、
まさか思ってもいない偏差値の高い学校に合格してしまうお子さんもいます。
また、子供は柔らかいです。頭も心も。
「駄目だ、だめだ、この調子じゃ。」と、口にしなくても親が思っているだけで、子供は敏感に親の心理をくみ取り、脳も心も萎縮して、落ち込んでしまいます。
一生懸命に頑張っているお子さんの存在を認め、信じてあげてください。それだけで、救われ、親御さんの期待に応えようと頑張れるものです。親御さんが見守っていてくれると信じられるからこそ、お子さんは自分に自信が持て、前向きに合格を目指して、過酷な受験勉強に向かえるのですから。
首都圏模試を一度受けてみましょう。
私は日能研、サピックス、四谷大塚などの大手塾の模試で、点数の伸びないお子さんには、首都圏模試を一度受けてみることを勧めています。
大手塾の模試に比べ、易しい問題から難しい問題まで出題されており、素直な問題が多く、意地悪くひねった問題も無いので、とても受けやすく、また、点数も取りやすいので、達成感を感じ、自信回復につながり、笑顔を取り戻すお子さんもいます。
大手塾の模試より、問題が易しい分、偏差値も高めに判定され、その数字が嬉しくもあるようです。
そして、志望校判定においては、一番信頼がおけます。受験が終わった後に、
「首都圏模試の判定通りの結果でしたね。」と、何人もの親御さんから言われました。やはり、大手塾の模試は、難関校レベルの判定にはむいていますが、中堅校レベル以下には、厳しすぎる判定がでてしまうようです。
良くできるのに、ケアレスミスをたくさんしてしまうお子さんにもお勧めです。問題が解きやすいので、一問一問、
丁寧に解き、ミスを減らす練習にもってこいです。
一度でもいい点数が取れると、喜びを噛みしめると同時に自信がつくのか、他の模試でも、高得点を取り易くなるようで、以降、グンと偏差値が伸びるお子さんもいました。
意気消沈しているお子さんには、自信回復に首都圏模試を試してみてください。
一日30分でも勉強しているお子さんに寄り添いましょう。
お子さんは、親御さんの期待に応えようと一生懸命がんばっています。
中学受験の内容は、本当に高度で、高校生レベルのものまで出題されます。
是非、頑張っているお子さんを認め、信頼し、一日30分でもいいから勉強しているお子さんに寄り添ってあげてください。上から目線で、あれをやれ、これをやれと、指示をだすだけじゃなくて、こんな難しいこと勉強してるの、すごいね、と感心してあげてください。親御さんの何気ない一言が、お子さんの支えになっていると思います。
勉強をみてあげなくてもいいんです。同じ部屋にいて、家事や仕事、読書をされててもいいんです。
ただ、一緒にいてくれるだけで、お子さんは安心して、勉強に集中できます。